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農商工連携の今(56)「つくば豚」認知度向上狙う

 茨城県は全国有数の豚肉生産量を誇る。県花のバラにちなんで名づけられた銘柄豚「ローズポーク」は柔らかく風味があると好評だ。筑波ハム(茨城県つくば市、山口勉社長、029・856・1953)は、この銘柄豚を精肉・加工販売するとともに、同社が中心となって共同開発した系統豚「つくば豚」の販売増加を目指している。

 つくば豚の開発は筑波ハム創業者の中野正吾会長が豚肉の味の違いを感じたことから始まった。同社は茨城県土浦市の畜産農家、萩島一成氏のみからローズポークを調達している。だが仕入れた豚の同じ部位を食べ比べて続けていると、肉のおいしさにバラつきがあると感じたという。「おいしさに違いがあると感じる肉を販売するのは、お客を裏切ることになる」(中野会長)とローズポークとは異なる系統豚の研究開発に取り組んだ。

 ローズポークは茨城県の銘柄豚。繁殖能力が高いなど3種類の特徴を持つ系統を交配した系統豚であることが第一条件。さらに何世代にもわたり選抜し、厳しい管理の下、生産した豚にこの銘柄が付く。

 同社はこの洗練された豚肉がおいしさになぜバラつきが出るのかを探るため、ベンチャー企業(VB)で遺伝子診断技術を持つプレスクライブ・ゲノミックス(つくば市)に分析を依頼。その結果、良質な豚肉の生産につながる潜在能力のある親豚を選抜できた。脂肪含有量があり、消費者が「おいしい」と感じるローズポークの生産が可能になった。

 そこで筑波ハムが中心となり、脂肪含有量の高い親豚同士をかけ合わせた繁殖豚に、柔らかい肉質が特徴の豚を交配。肉のうまみに当たり外れのないつくば豚を今年7月から発売した。

 つくば豚の出だしの売れ行きは好調だが、生産量に占める割合はまだ12―13%。中野会長は「2013年度までにローズポークとつくば豚の生産比率を半々にしたい」と意気込む。

 つくば豚の売り上げ拡大を見込み、老朽化した既存工場から新工場へ精肉・加工処理設備を移設。処理能力を現行比2倍の年2000頭に増強した。11年2月からはつくば豚を使ったハム作り体験教室も開く。既存工場に併設していたレストランでもつくば豚を使った料理も扱っている。「ローズポークはローズポークでおいしい。でもバラつきのない、いつでもおいしいつくば豚のうまみを知ってほしい」(同)とつくば豚の認知拡大に今後も取り組む。


【2010年10月25日 日刊工業新聞社】