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農商工連携の今(53)山形県産小豆で和菓子

 山形県産の小豆にこだわる―。和菓子製造小売りの戸田屋(山形市、戸田正宏社長、023-622-6728)は、みさおちゃんファーム(山形県河北町)と組んで、山形県産の「白小豆」「大納言小豆」を原料にした独自の和菓子づくりによる地域活性化を目指している。同ファームが減農薬栽培と栽培履歴管理により小豆を生産し、戸田屋がそれを原料に地元の定番となる新しい山形の味を生み出す連携だ。

 同社では約20年前に県産小豆を餡(あん)に加工したところ、その味は北海道産に劣らない味だったことから、長年県産小豆の安定供給先を探していた。これを踏まえ、今年2月に農商工等連携事業計画の認定を受けた。すでにみさおちゃんファームでは白小豆(品種名シラユキヒメ)と大納言小豆(同ベニダイナゴン)の試験栽培に取り組んでいる。プロジェクト期間は5年で、今後作付面積を増やすとともに、当面は新たな味を地元消費者に発信する。

 国内の小豆の一大産地は北海道。農林水産省が3月に公表した2009年度の収穫量統計によると、小豆の収穫量は5万2800トン。都道府県別割合でみると、北海道産が88%を占める。北海道を除くと収穫量にそれほど大きな差はない。将来は北海道に次ぐ小豆の産地を形成することで、県内の菓子業界への普及を展望する。戸田社長は「県内産小豆のブランド化にもつなげたい」と意気込む。

 小豆の中でも白小豆は一般的な赤小豆とは違う独特の風味が特色。流通量も少なく高価なもので、その餡は高級菓子などに用いられるという。連携体プロジェクトでは白小豆をメーンに、素材にこだわった菓子づくりを進める。県内産小豆を用いた和菓子の認知度アップに向けては「スピードを重視」する考えだ。

 戸田屋では9月から店頭でプロジェクトの商品化第1弾となる「白まんじゅう」と「和煉(やわね)り白小豆」を発売した。白まんじゅうは、白小豆のこし餡が生地の中に入っている。和煉り白小豆は水ようかんのような食感で、白小豆餡のようかんの中に大納言小豆がちりばめられている。

 今後はシリーズ化を図り、県内産小豆を用いた和菓子づくりの輪を広げていく構えだ。プロジェクトの大きな目標としては、土産向け菓子開発などパッケージを含めた贈答品市場の開拓を盛り込んでいるが、戸田社長は「まずは足元を固めていく」としている。


【2010年9月27日 日刊工業新聞社】