HOME > 事業を広げる > 地域資源活用チャンネル

地域資源活用チャンネル

ニュース

農商工連携の今(52)大和茶使い自然派化粧品

 クレコス(大阪市中央区、暮部恵子社長、06‐6941‐8877)は、健一自然農園(奈良県大和郡山市)と共同で、「自然農法により栽培された"大和茶"の葉、実、花も全部使った自然派化粧品の開発・製造・販売」で2010年度第1回農商工連携事業計画の認定を受けた。

 クレコスはオーガニック化粧品を20年近く製造販売。米ぬかの発酵エキスやヘチマ、植物種子油など国産、無農薬、有機栽培の原料にこだわってきた。暮部達夫副社長は「創業の地である奈良で、弘法大師が伝え日本で初めて栽培されたという大和茶を原料にした化粧品をつくりたい」との思いを強く抱いていた。

 そんな時に出会ったのが、農薬や化学肥料はもちろん有機肥料も使わず、耕すこともしないという自然農法を学んだ、健一自然農園の伊川健一代表だ。高校を出て農業を志した伊川代表は、まだ20代の若さ。耕作放棄されたままの大和茶栽培の畑を活用して自然農法や有機栽培による茶栽培を試み、茶の木に花が咲いて実もできるのを確認している。 クレコスとのプロジェクトでは、再開発した茶畑のうち70アールを使って自然農法茶を育て、葉は有効成分を抽出して化粧品エキスに活用、実は搾油して大和茶油にし、花は「香りエッセンスに使えないか」(暮部副社長)と考えている。

 自然栽培茶の葉や実、花には、以前から知られているカテキン以外でも、有効成分が含まれている可能性が高い。特殊抽出技術に強い静岡県立大学と近畿大学には、有効成分の分析や栽培指導などで協力してもらう考えだ。

 プロジェクト期間は5年だが、2011年春には第1弾として「オールインワンタイプの、大和茶エキス入り保湿乳剤を発売する」(同)予定。引き続き化粧水、美容液、せっけん、化粧用油、シャンプー・リンスなど、大和茶をキーワードとしたシリーズ商品を3年後をめどに製品化する。

 この大和茶シリーズは新ブランドでの展開を考えており、容器デザインなども一新し、他の自然派商品とも差別化していく。

 クレコスの化粧品はこれまで訪問販売を主体に、一部を百貨店や専門店などで販売してきた。大和茶シリーズについては店舗販売とともに、ネットでも販売する。暮部副社長は「ターゲットは20―30代の女性。価格も比較的安価にし、オーガニックは高いという消費者イメージを変えたい」と、5年間で累計9000万円の売上高増加を狙う。


【2010年9月6日 日刊工業新聞社】