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農商工連携の今(51)安納芋「みつ姫」のスイーツ

 ジャパンファースト(愛知県岡崎市、建部剛社長、0564-28-4499)は、ギョーザや鰻(うなぎ)、果物など全国の特産食品を中心に通信販売を行っている。人気商品の一つに「みつ姫」がある。サツマイモの一種である安納芋を鹿児島県の種子島で生産したもので、独自の熟成技術により甘みを強くしたのが特徴だ。だが、生芋を収穫して販売できるシーズンは10―4月の半年のみ。みつ姫を年間通して味わってもらうため、みつ姫を原料にしたスイーツを開発し、高付加価値化による拡販を図っている。

 みつ姫は同社と、種子島の安納芋農家の集まりであるトーシン(鹿児島県中種子町)が共同で開発した熟成技術によって糖度を40度以上に高めた。通常の安納芋は収穫直後に出荷されるものが多いが、糖度は15―20度程度。みつ姫は収穫後に貯蔵庫の温度や湿度を管理しながら1、2カ月間熟成させる。

 「焼き芋にするとスイートポテトと思うほどの甘み、滑らかさがある」(建部剛社長)というみつ姫をペーストにしてスイーツの原料とする研究を2008年末に始めた。まず「スイーツとして最も人気があり市場が大きい」プリンをターゲットにした。

 プリンの開発では「砂糖の甘さを控えて、みつ姫自体の甘さを楽しめるようにする」ため、ペーストや生クリーム、牛乳などの配合割合などで試行錯誤を重ねながら半年以上かけてレシピを作成した。そのレシピを基に生産を外部の食品工場に委託し、09年11月にプリンを発売した。

 プリンは素材そのものの甘さが好評で、販売も順調に推移。10年冬からはテレビ通販会社が、11年春からはカタログ通販会社がそれぞれ扱う予定という。これによりみつ姫の生産量が増え、農家の経営も安定すると期待されている。

 今後はプリンに加え、ケーキやアイスクリーム、スイートポテトなどスイーツの種類を増やす方針。4年後にスイーツだけで年間5000万円の売り上げを目指す。

 販売面ではデパートやインターネットを使った販路開拓も模索中。「"デパ地下"の洋菓子コーナーでプリンを扱っていないところはない」というだけにデパートは是が非でも開拓したいルートだ。インターネット販売は自社のホームページ(HP)を通じて12月をめどに始める予定。

 また冷凍焼き芋や干し芋などスイーツ以外の商品もアイテムに加え、みつ姫の需要を増やしていく考えだ。


【2010年8月30日 日刊工業新聞社】