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農商工連携の今(48)韃靼米ソバとGABA富化食材

 三宅製粉(大阪市生野区、三宅成幸社長、06-6731-0095)は、農業生産法人アルプス・ファーム(北海道黒松内町、落合勝三社長)と共同で、新品種の韃靼(だったん)米ソバと、これをGABA(脳細胞の代謝機能を高める働きのあるアミノ酸)富化した国内産原料によるソバ粉、ソバ茶、シリアルなどの食材、食品を開発、製造、販売する。農林水産、経済産業の両省から2010年度第1回農商工連携事業計画の認定を受けた。

 韃靼米ソバは中国のチベットや雲南省原産で、苦ソバとも呼ばれる韃靼ソバの一種。三宅製粉が持つ韃靼米ソバの種子をアルプス・ファームへ提供し、アルプスが自社農地や休耕田、未開拓地などで栽培する。乾燥、むき実加工した後、三宅が引き取り、製粉、ミックスして食品加工業者やソバ屋、焼酎メーカーなどへ販売する。

 さらに三宅製粉は韃靼米ソバのGABA富化技術の開発や、富化加工量産技術の実用化を進めて栄養価の高い麦芽のみを取り出し、「GABA富化韃靼米蕎麦(そば)胚芽(はいが)粉」の開発、製造、販売を目指す。

 GABAはソバなどの種子を高湿度環境下で発芽寸前へもっていくことで富化できる。三宅社長は「(GABA富化韃靼米蕎麦胚芽粉が)健康食品として注目を集めそう」と期待を寄せる。大阪と北海道を結ぶ広域連携のモデルとしても注目されており、5年後に240ヘクタール以上の耕地面積を確保してアルプス・ファームは8000万円、三宅製粉は2億円超の売上高アップを狙う。

 通常の韃靼ソバは種皮が種肉に食い込んで脱皮しにくいのに対し、韃靼米ソバは種子の形がやや丸く、米の穀のように簡単に脱皮できる。稲のように自家受粉するため、普通のソバに比べ約2倍の収穫量を見込める。成分も通常の韃靼ソバと同様、血流改善効果などがあるルチンが豊富だ。

 日本では大阪府立大学の研究チームが、チベットで数十年前に韃靼米ソバを採取。三宅製粉の三宅一嘉会長が同大大学院で、ソバのGABA富化を研究する中で、この韃靼米ソバを再発見した。韃靼米ソバの国内栽培、さらにはそのGABA富化の事業化を計画した。

 すでに4年前から中国の内モンゴル自治区で試験栽培して種子を増やしている。昨年はこれらの種子を国内でも栽培できるかテストするため、北海道のほか宮崎、鹿児島の両県でも栽培を始めるなど、本格事業化の準備を進めてきた。


【2010年7月26日 日刊工業新聞社】