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ヤンマー、耕作放棄地の再生支援−農機など無償提供

 ヤンマーは耕作放棄地の再生支援に乗り出す。子会社のヤンマー農機販売中四国カンパニー(岡山県倉敷市、塚原寛仁社長、086-428-5151)が岡山県美作市と、同市上山地区にある棚田の共同再生支援で合意した。上山地区は県内有数の棚田地帯だが、農家の減少や高齢化により耕作放棄地が増加しおり、放棄地のうち100ヘクタールを2015年までに再生する。地域農業の活性化と観光資源としての活用を目指す。

 美作市が事業の核となる組織をつくり、ヤンマー中四国が人材と農業機械を無償で提供。ボランティアなどの手も借り、除草や整地、耕作作業を進める。すでにモデルとして30アールを水田として再生している。

 耕作放棄地の利用は、再生に必要な農機と多くの人手のほか、継続的に農作業に従事する人材の確保が不可欠となる。このため政府の助成金や棚田再生基金を創設して資金を集め、ボランティアの交通費や滞在費の負担に使用。新規就農希望者の生活の一部負担などに充てる。

 美作市は現在未使用の古民家などを借り受けボランティアやアルバイトなどに提供することも検討。ヤンマー中四国は農機の技術研修を実施するなどで就農希望者の現地への定着も支援する。

 ヤンマーは「同支援事業はCSR(企業の社会的責任)の一環で利益が出るものではないが、国内農業の活性化は将来的な農機の市場拡大につながる」(ソリューショニアリンググループ)と位置づけている。

 耕作放棄地の再生支援は、08年にクボタも始めている。農業従事者の減少で耕作放棄地が増える中、食糧自給率向上や景観、保水機能などの課題に対し、農機メーカーと自治体、地域との共同の取り組みが、今後、一段と増えそうだ。


【2010年7月23日 日刊工業新聞社】