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八丈島や伊豆大島、自然エネで観光・産業振興

 東京都の島嶼(とうしょ)地域で再生可能エネルギーの導入が加速している。八丈島では7月から、風力発電機で電動アシスト自転車を充電し、地熱発電所など環境名所を回るエコツーリズムが始まった。伊豆大島は温泉排熱発電を来年2月にも導入するほか、大島沖合での波力発電実証試験の検討も進んでいる。島嶼の豊富な自然エネルギーを活用し、観光客誘致や産業振興につなげる狙いだ。

 八丈島でエコツーリズムを始めるのは、八丈町、商工会、JTB首都圏などで構成する八丈島活性化協議会。開始に際し、八丈町役場に風力発電機や駐輪設備などを約940万円かけて新設した。電動アシスト自転車10台を観光客や島民に貸し出す。料金は一日2500円。

 八丈島は島内電力の3割が地熱発電でまかなわれるなど、自然エネルギーの活用が積極的に進められている。ツアーコースには景勝地や歴史名所のほか、地熱発電所や地熱を利用して育てた野菜の直売所などを盛り込んだ。同協議会が8月に立ち上げるサンゴ養殖場もコースに加える。問い合わせは八丈島観光協会(04996‐2‐1377)へ。

 伊豆大島の大島町は、今年度1億円の予算を計上し、島内の御神火温泉に温泉排水を熱源としたヒートポンプ設備を導入する。源泉の加熱や空調に利用するほか、伊豆大島火山博物館に設備を展示し、観光客にアピールする。また東京都や東京大学は2011年度にも、島沖合で波力エネルギー発電の実証実験を始める予定だ。

 島嶼の自然エネルギー導入では、「塩害のため太陽光発電装置の導入には適さない。波力発電も大規模になると漁業に影響が出る」(大島町生活環境課)と課題もある。ただ島嶼を訪れる観光客が減る中で、「自然環境を利用して新たな産業・観光を構築し、世界に発信する」(八丈町商工会)という方向性は有望だ。


【2010年7月8日 日刊工業新聞社】