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農商工連携の今(45)清酒リキュール全国展開

 大和酒造(佐賀市、北島恭一社長、0952-62-3535)は、佐賀県産のブランドイチゴ「さがほのか」を使った清酒リキュール「いちごのお酒 さがほのか」を製造する。ベースになる日本酒にも県内産の米を使う「佐賀の酒」だ。5月に全国発売した。「出だしは好調。手応えがある」と北島社長は自信を持つ。

 開発に着手したのは2008年末。食生活の変化や焼酎ブームの影響で減退する日本酒市場を活性化させようと、新製品開発に乗り出した。都市部で若者を中心にリキュール人気が高いことに着目し、需要取り込みを狙った。国産リキュールは梅酒のイメージが強いが、目玉となる新素材を模索した。加えて県内生産物の利用を検討していたところ、ブランドイチゴに白羽の矢が立った。

 イチゴの生産期は12―5月。3月までは青果としての販売が主だが、4―5月は気温上昇でイチゴは傷みやすい。生産量の約2割の規格外品が発生し、ジャムに利用するなど農家は供給先を求めていた。完熟イチゴはリキュールに適し、かつ仕入れ値は1級品の半値以下。安定供給も見込めるため古川苺園(同)、高取農園(同)と連携体を組み、イチゴリキュールづくりに取り掛かった。

 イチゴを漬ける酒は焼酎が一般的だが、イチゴの穏やかな甘みと酸味を生かせる清酒にした。初年度は4000本を製造し、09年7月に県内で試験販売。イチゴのリキュールは珍しく、話題性はあったが県内ではリキュールが生活に浸透していなかった。そこで飲み方の研究から始め、さまざまな飲み方やシーンを提案。食前酒や食事と一緒に飲む食中酒のほか、デザートやステーキソースなどの料理にも使えることをアピールした。「多様な飲み方に対応できる味」(北島社長)が製造のポイントだった。

 本格販売する10年は1万本を生産。フレッシュさを残し、変色を防ぐなど味や品質を改良。パッケージも工夫を施した。

 今後の課題はマーケティング施策の強化。従来のスーパーマーケットやディスカウントストアに加え、業務用酒販店にも販路を拡大。東京都や大阪府の百貨店など、全国でも発売した。北島社長は「どこでどう売れているかをつかむことが必要」と力を込める。 赤いパッケージを生かし、引き出物などお祝い品の分野も開拓する。「味には自信がある。今年分の完売を目指す」と北島社長は意気込む。


【2010年7月5日 日刊工業新聞社】