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農商工連携の今(44)トレー式屋上緑化システム

 ブルー・ジー・プロ(神戸市灘区、北村公一社長、078-805-2515)の屋上緑化システムが軌道に乗ってきた。常緑の多年草セダムやキリン草、低木を組み合わせた景観型製品「さわや華」や、屋上緑化とデマンド(需要電力)コントロールシステムを組み合わせた省エネビジネスモデル(特許出願中)なども提案し、事業は広がりを見せている。

 同社は2004年12月の設立。まずセダムによる屋上緑化システム「てまいらず」を手がけた。その後、環境耐性に優れ、かん水なしでも年中緑を保つ常緑キリン草を使った「みずいらず」の製品化を計画。栽培委託先のアワジエコグリーン(兵庫県洲本市)とともに09年度第1回農商工等連携事業に認定された。

 常緑キリン草は日本に自生するキリン草のハイブリッド(1代雑種)。冬にも落葉せず乾燥や多湿、暑さ、寒さに強く、自然降雨だけで育つ。壁面やのり面緑化などにも適している。

 屋上緑化システムではこのキリン草などを植えた50センチ×50センチメートルのトレーを1ユニットとして、ビルの陸屋根や工場の上折れ屋根に並べ、固定するもの。導入コストはトレー4枚(1平方メートル)あたり1万5000円。

 ブルー・ジーではこれを独自設計のトレー、栽培土を使って農家などに委託栽培してもらい、生育状態のまま搬送し施工するサプライチェーンを確立している。現在は兵庫県の姫路市や小野市、丹波市、さらに名古屋市などでも栽培しており、高齢者の活用や地域活性化に一役買っている。

 セダム緑化を含めて、年間2万2000平方メートル以上の施工を目指す。最初の1年間は枯れた場合の保証と3回以上のメンテナンスを行い、2年目以降も有償でメンテナンスを引き受ける。10年2月期には売上高3億円を確保している。

 「さわや華」はトレー式屋上緑化システムの第3弾で、植物を植えるトレーを工夫した。具体的にはトレー底に凹凸を付け、植栽する凹部の土壌厚を保ちながらトータルの土壌量を減らし、トレーを使った屋上緑化では最軽量クラスにした。導入コストはかん水工事なども含め一平方メートルあたり2万7500円。

 デマンドシステムとの組み合わせは、緑化システム導入費を電力使用量の削減でカバーしようという発想。電力制御装置は短期で償却可能であり、エネルギー関連収支の大幅改善が見込める。「すでに1件を施工、数件の引き合いがある」(北村社長)と言う。


【2010年6月28日 日刊工業新聞社】