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栃木県内企業、地元農産物を高付加価値化−地域振興へブランド確立

 栃木県内で農産物の高付加価値化の取り組みが本格化している。同県には、イチゴ「とちおとめ」以外にもトマト、ナシ、麦など地元名産の農産物が数多い。ナシの紅茶やトマト・イチゴの乾物、旬野菜の菓子については、今夏以降の発売に向けて着々と準備が進んでいる。農産物のブランド化による地域活性化策として期待されそうだ。(栃木支局長・井上雅太郎)

【ナシで紅茶】

 栃木産ナシの紅茶でおもてなし―。ワイズティーネットワーク(宇都宮市、根本泰昌社長、028-639-6601)は、ナシを使った紅茶を夏に発売する。地元産の品種「にっこり」を皮と果肉に分けて乾燥させ、茶葉と合わせる。果肉はドライフルーツにも活用できる。この紅茶は山口果樹園(宇都宮市、山口幸夫社長、028-667-0523)と共同開発した。

 ナシは水分が多く乾燥が難しいが、皮と果肉を分け、適切な乾燥温度・時間を見つけ出した。これを茶葉に混ぜることで、国産ナシの甘い香りの紅茶ができる。ティーポット用紅茶のほか、ナシの花びらも混ぜた贈答用紅茶「ペアーティー」、ティーバッグなどで販売する。価格は1袋(50グラム)で1000円程度を想定している。根本社長は「ナシの紅茶で、地元農産物の高付加価値化と、地域の活性化につながってほしい」と期待する。

【規格外の作物活用】

 乾物などを手がけるまるつね(壬生町、戸崎泰秀社長、0282-82-0224)は、自然乾燥によるトマト、イチゴなどの加工食材を10月をめどに発売する。地元農家と連携し、規格外の農産物を活用する。

 機械を使わず天日乾燥するため、うま味成分の高い乾物になるという。イタリア料理、中華料理などの食材として、50グラム当たり400―500円ほどで販売する計画だ。

 農家では規格外のトマトが全体の2―3割になる現状を踏まえ、同社は連携による活用に着手。トマトは水分が多く乾燥が難しいが、天日で1週間ほどで乾物にできるようにした。自然乾燥のトマト、イチゴなどの乾物は珍しい。さらに果物を使ったドライフルーツに展開することも検討している。

【旬の材料で菓子】

 一方、もめん弥(栃木市、永井芳夫社長、0282-91-1211)は、地元の野菜などを使った菓子「草の色、風の色」を開発中。ホウレンソウ、トマト、ニンジン、ウメ、イチゴなど旬の材料を使い、あん玉、クッキー、パウンドケーキに仕上げる。現在、食材を提供してもらう農家を選定している。

 同社はブランド「がんこ職人」で全国展開する米菓メーカー。農産物という地域資源を生かして活性化を図るとともに、新たなブランドの確立を目指している。


【2010年6月16日 日刊工業新聞社】