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農商工連携の今(42)コンニャクと大豆でヘルシーに

 コンニャクの可能性を広げたい―。岡田食品加工(東京都西東京市、岡田雅徳社長、042-421-6363)は、コンニャクと大豆を掛け合わせた食品「蒟豆(こんず)」の開発を進める。コンニャクの低カロリーと大豆の高たんぱくのいいとこ取りで売り込む。

 開発のきっかけはサプリメントやダイエット食品などの健康食品ブーム。コンニャクは添加物も少なく体に良い。それでも選ばれないのはなぜかと思い悩んだ。結論は「昔から食べ慣れているため、健康を意識したときあえて候補に挙がらない」(岡田社長)。それならばヘルシーに焦点を当てた新製品で需要を喚起しようと思い立った。

 そこで目を付けたのが豆腐。コンニャク同様に体に良いとされるが、食材の多様化とスーパーや量販店の安売りによって窮地に立たされている。似たもの同士の長所を組み合わせて巻き返しを狙う。

 コンセプトを固めて試作に1年。製品化のカギとなったのが独自の糊化技術だ。コンニャクイモと大豆では水分を吸収する速度が違うため均一に混ぜ合わせるのは難しい。材料の含水量を見極めムラやダマができないよう練り上げる。大豆を混ぜることで加工の幅も広がった。

 これまでコンニャクは水分量が多く冷凍保存はできなかった。凍らせるとコンニャクの繊維が壊れ、スカスカとした食感になってしまうが、大豆のたんぱく質がつなぎ役となり組織を保つ。消費期限が延びるだけでなく「一度凍らせると、まるで肉のような食感」(同)。タレで味を付けて代替品として提案する。

 大豆にもこだわった。大豆の甘い香りが強く油分の少ない品種を求めて、農事組合法人の富野里(山梨県北杜市)を訪ねたところ、品種「タチナガハ」を薦められた。岡田社長は「通年の購買量が決まらない中で作付面積を広げて協力してくれた」と謝意を表する。富野里にとって「タチナガハ」は新たな挑戦。新品種に取り組むにあたり山梨県総合技術センターが栽培ノウハウを提供。大豆を北杜市の主力農産物にしたいと期待する。

 「蒟豆」はこれまでにない食材のため調理法も確立する必要がある。東京家政学院大学や法政大学などと連携し、炊き込みご飯やドーナツなどレシピを考案した。板状に加えて糸状や粒状など料理に使いやすい形状をそろえた。しかし岡田社長は「まだまだ草の根レベル。まずはB級ご当地グルメを狙う」と地域や大学を巻き込んで普及に努めていく考えだ。


【2010年6月14日 日刊工業新聞社】