HOME > 事業を広げる > 地域資源活用チャンネル

地域資源活用チャンネル

ニュース

産業がわかる/山形県のニット産業−共通ロゴで需要開拓

 全国でも有数のニット産地である山形県のニット産業にようやく薄日が差してきた。最盛時と比べると売上高は大きく減っているが、山形ニット産地の共通ロゴをつくり、産地一体となって東京など大消費地の需要を開拓しようとしている。

 2008年秋の"リーマン・ショック"による世界同時不況の影響で、山形県ニット産業も打撃を受けた。ただショック直後の08年秋は、ちょうど秋冬物が出荷された後だった。

 山形県ニット工業組合の清野秀昭氏は「実際のショックは半年遅れた。また、1年前の新型インフルエンザの影響が大きかった」。その後、組合員各社の冬物などの受注が激減する要因にもなった。清野氏が社長を務めるセイノコーポレーション(山形市)では「昨年が底。現在は前年同期に比べ10%以上受注が回復してきた」とようやく手応えを感じ始めている。

 同県のニット関連企業は、山辺町、寒河江市などを中心に集積。素材や編地開発からの製品づくりに力を入れ、産地内での一貫生産ができるのが特色だ。現在、県ニット工業組合は賛助会員12社を含めて42社で構成。提案型のOEM(相手先ブランド)供給に力を入れ、近年は「各社独自の提案力がアパレルなどから評価を受けている」(清野氏)。とはいえ、組合ベースの年間売上額は全盛時の約500億円に対し、現状は100億円を割り込む状況と推測している。

 中国はじめアジア諸国からの輸入品などに押され、ニット業界は苦戦を強いられている。こうした厳しい状況下で県ニット工業組合は、東京での展示会を毎年継続。昨年11月開催の展示会では、初めて山形ニット産地の共通ロゴ「Japan in Yamagata Knit」を作成。共通ロゴをそれぞれ製品につけて、山形産ニットを組合一丸で押し出す戦略に乗り出した。

 共通ロゴは大手百貨店などの目にも止まった。今秋には百貨店と連携した山形産ニットのフェアを検討しているという。技術、品質、感性を重視したこだわりの山形産ニットの浸透に向けた新たな風も吹き始めている。

 【POINT】
 (1)独自性を持つ企業群が集積
 (2)提案力が持ち味
 (3)東京での展示会を継続


【2010年5月18日 日刊工業新聞社】