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農商工連携の今(38)完熟梅で高級ジュース

 高所得農業を目指して農村の活性化に取り組んだ「ウメ・クリ植えてハワイへ行こう」から約50年―。大分県日田市の大山町特産梅を活用した加工品「樹上完熟梅ジュース」「同梅ソース」の商品開発が急ピッチで進められている。2010年10月をめどに商品化。国内外のホテルや百貨店向けにそれぞれ約3000本の発売を目指す。

 両商品の試作開発、販路開拓には、おおやま夢工房(大分県日田市、三笘善八郎社長、0973-52-3000)を中心に地元梅生産農家や大分県産業科学技術センター、中村学園大学流通科学研究所(福岡市城南区)などが参加している。梅生産農家から完熟南高梅約10トンを仕入れ、開発、販売する。

 同夢工房は日田市などが出資する第三セクターで、大山町特産梅を活用した加工品を開発、販売するため98年設立。梅酒を製造販売するほか、物品販売所や宿泊施設なども運営する。

 販路開拓では消費者ニーズをつかむため、中村学園大学流通科学研究所に市場分析を依頼。梅果汁用製品の開発、分析は大分県産業科学技術センターが担っている。

 緒方英雄同夢工房総支配人は「既存の梅ジュースにはない味や香り、低糖で無添加の安心飲料に仕上がっている」と出来映えに胸を張る。今年度中に約4000万円を投じてジュース、ソース製造ラインを整備。「13年3月期は約1億1300万円の売上高を目指す」という。

 同夢工房は01年にニッカウヰスキー(東京都港区)と業務提携し、ニッカの技術を活用した高級梅酒を製造。醸造技術は海外から高い評価を得た。緒方総支配人は「梅生産農家には農業所得の安定化を保証しているだけに、ブランド力のあるいい商品をつくらなければならない」と強調する。梅酒の製造販売は小ロットにこだわり、販路先も百貨店や一流ホテルなどに出荷するのみで、地方発の高級ブランド商品として展開してきた。

 梅酒や梅干しなど関連商品の売上高は、02年3月期の約1680万円から、09年3月期は約1億5000万円まで拡大した。農家の収入も3倍に伸びたという。

 緒方総支配人は「地域づくりの株式会社として連携に取り組み、消費者ニーズに根ざした新たな農商工連携を目指したい」と意気込んでいる。


【2010年5月10日 日刊工業新聞社】