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産業がわかる/京都の和装業界−首都圏女性に魅力PR

 京都は西陣織、京友禅、京小紋、丹後ちりめんといった伝統産業が栄え、繊維商社の集散地としても存在感を放つなど、古くから和装産業が地場産業として根付いて来た。しかし近年、生産量はピーク時と比べて大幅に減少し、市場の縮小傾向は続いている。

 京友禅協同組合連合会(京都市上京区)によると、京友禅の生産量は1971年をピークに年々減少を続け、近年は30分の1まで落ち込んでいる。西陣織工業組合(同)の組合員数も75年と比べ約3分の1に減少した。

 和装産業の市場が縮小した最大の理由は、生活様式の変化。和服はふだん着から式服になり、特別なイベントがない限り着用されなくなった。レンタル着物や中国産着物など競合品の台頭も、生産量が減っている要因の一つだ。

 そうした環境の中、着物の需要拡大を目指して京都市が和装業界とスクラムを組み、戦略を展開中だ。着物を身近なファッションの選択肢の一つにしようという取り組みで、首都圏の20代後半―40代の女性をターゲットに、09年度から11年度の3カ年にわたり、プロモーション活動を行う。首都圏という、全国的な影響力が強くより広い市場の攻略を目指す。

 3月には首都圏で開催されるファッションイベント「東京ガールズコレクション」へ、新作着物と帯をそれぞれ9点出展した。同コレクション出展は初めてだったが、京都市の担当者は「お客さんの関心の高さを感じた」と手応えを感じたと言う。さらに30代後半から40代の女性をターゲットに、雑誌「プレシャス」へ京都の着物を紹介する記事を掲載した。

 また同時期に、アンテナショップ「白イ鳥」を東京都港区でオープン。価格が10万―30万円の着物や帯など、製品約100点をラインアップした。同ショップの着物は、京都市が公募した着物業者約25社と共同で開発。開店後約1月が経過したが、「昔からの顧客がいないという点を考えれば、売り上げはまずまずのスタート。ただもっと売らなければ」(京都市)と、気を引き締める。

 担当者は「次はオフィス街でのファッションショーや、着物を着る機会作りをしたい」と、今後の構想を語る。新しい着物文化の創出を目指す。


【2010年4月20日 日刊工業新聞社】