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農商工連携の今(35)ホエイ原料に基礎化粧品

 京都の北山で明治時代から乳業を営んできた「山田牧場」は、チーズの製造過程で生まれる上澄み(ホエイ)を主原料とする基礎化粧品の開発・販売のプロジェクトをスタートした。

 牛乳小売業の山田牧場(京都市北区、山田雅哉社長、075-491-2631)を中心に、親せき筋にあたる山田牧場(滋賀県甲賀市)が原料を供給。化粧品卸のリフレコーポレーション(大阪市中央区)、化粧品製造のミリオナ化粧品(大阪市天王寺区)、経営コンサルタントのインタークエスト(京都市左京区)がサポートする。

 本格的な事業は2010年度からで、既に前倒しする形でホエイの成分分析、商品企画・販売へ向けたアンケートなどのマーケティング調査を始めている。10年度以降はアンケートなどに沿って試作品開発へ着手。8月までにまず2アイテムをつくり、再度アンケートを実施。こうした改良作業を繰り返して11年4月までに2アイテムの完成、販売にこぎつけたい考え。並行して別の2、3アイテムについても開発、試作、アンケートなどによる評価、改良のサイクルを進め12年中に完成、発売する。「山田牧場」ブランドのホエイ基礎化粧品シリーズ4、5アイテムをそろえる計画。

 プロジェクトの背景にあるのは、飼料価格高騰などによる日本の酪農経営の弱体化。牛乳生産も06年から1頭あたりの粗収入が生産コストを下回る状態(中央酪農会議調べ)が続き、牛乳の小売価格も低迷している。

 京都の老舗乳業として約6000軒の安定顧客を抱える山田牧場グループも、ユーザーの少子高齢化などで、低温殺菌などが売りの生乳販売はほぼ横ばい。これをバター、生クリームなどの乳製品や、黒酢のような健康食品を販売することで補ってきた。

 さらにバックグラウンドの牧場を最大限生かしていくため、最近はアイスクリーム、生キャラメルなどのスイーツ類、牛乳由来のせっけん販売などを手掛け「堆肥(たいひ)の販売も考えた」(山田社長)と言う。

 乳製品製造過程の副産物であるホエイは、これまで浄化処理後、廃棄していたが、飼料や保湿効果などに着目した基礎化粧品材料に使っている例もあり、改めて再利用のプロジェクトを立ち上げた。ホエイと分離したチーズ自体も、近くナチュラルチーズ3アイテムを売り出し「健康と美」を両輪とするブランド戦略を強めていく。


【2010年4月5日 日刊工業新聞社】