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産業がわかる/大阪・岸和田の桐箪笥

 大阪府岸和田市の地場産業である泉州桐箪笥(きりだんす)産業。その歴史は古く、江戸時代までさかのぼる。品質の高さから婚礼用家具などとして愛用され、戦後や高度経済成長期には隆盛を誇ったが、汎用の工業生産品の増加もあり、現在は生産が減少傾向にある。全盛期に約350者いた生産者も、現在では6者のみだ。

 地域の生産者を取りまとめる大阪泉州桐箪笥製造協同組合の副会長で、田中家具製作所(岸和田市)の田中美志樹専務は「市場は縮小しているが、安易に妥協せず、原料や製法にこだわったモノづくりをしたい」と意気込みを語る。

 産地全体では年間約160棹の箪笥(たんす)を製造。田中家具製作所はそのうち約130棹を製造し、泉州桐箪笥の伝統的な製法を継承している大手メーカーだ。同社は低品質な中国産原木を材料に使わず、高品質な国産と米国産の原木のみを使用している。原木を自社でスライスし、箪笥の部材となる板材を製造。

 板材は厚さ1センチメートルのもので約半年間、厚いものだと2年以上の自然乾燥期間が必要になる。「長期間、乾燥させることで余分な水分が抜け、板材が締まる。乾燥工程を丁寧にしないと、箪笥になった後、ソリや変形が起こる」(田中専務)という。

 そうしてできた板材は、職人の手作業によって、一つひとつ箪笥の形に組み立てられていく。鉄のくぎをほとんど使わず組み立て、箪笥の角を丸く仕上げるのが泉州桐箪笥の特徴だ。

 「昔は生産者は裏方で良かったが、今は製造だけで会社が生き残るのは難しい」(同)と感じている。一棹数百万円の商品もある泉州桐箪笥を売るためには、実際に見てもらうことも必要と考えており、3月には大阪市阿倍野区の近鉄百貨店で開催した展示会にも出展した。

 「泉州桐箪笥の高い品質をアピールすることで、リピーターの獲得につなげたい」(同)と期待している。


【2010年3月16日 日刊工業新聞社】