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インタビュー/大阪商工会議所副会頭・小嶋淳司氏「大商、"食の都宣言"作成」

 大阪商工会議所など産学官で構成する「食の都・大阪」推進会議は、大阪という地域に共通の食の特徴をまとめた「食の都・大阪スタイル宣言」を作成、地域や業界活性化を図る取り組みを始めた。地域をあげて「食の都」をアピール、ブランドイメージ向上や観光集客などに役立てようというもの。同推進会議代表を務める小嶋淳司大阪商工会議所副会頭(がんこフードサービス会長)に聞いた。

◇   ◇

 ―「食の都・大阪スタイル宣言」作成の狙いを教えてください。

 「大阪の食は、多様性が特徴であるために特徴を絞り込めず、これまでアピール力に欠けていた。たこ焼きなど"粉もん"だけではない。日本料理の基本となるあわせだしをはじめ、大阪の食が全国に広がる過程で立ち位置があいまいになってきた。和洋中のジャンルを超え、大阪の食関係者が大切にし、また若い人に受け継いでほしいと願う『DNA』のようなものを明らかにするのが狙いだ」

 ―大阪の食の特徴は何ですか。

 「誰もがうまいと思う味の追求やだしへのこだわり、値打ち感や顧客に楽しんでいただく場の提供など7項目を宣言に盛り込んだ。ジャンルを超え、すべての食の関係者が持つ思いだ。一方の顧客も、肥えた舌で店や料理人を育てようという気概にあふれている。不手際には『もう来ない』ではなく、『次はきちんとして』と言われるのは典型ではないか」

 ―事業計画について。

 「まずキックオフイベントとして、14日に記念シンポジウムを開く。夏には大阪スタイルを料理人に学んでもらう講習会を開き、修了者には大阪スタイル取得者であることを示す看板など証明マークを付与する。このほか大阪スタイルの料理コンテスト、ガイドブック制作、フードツーリズム、人材育成などさまざまな事業で大阪スタイルを普及していく」

 ―期待について。

「日本の食をリードしてきた歴史を改めて認識することで、さらに腕を磨いて大阪の食ファンを増やすという好循環を生み出す。食文化は都市の格の向上につながり、企業の本社機能流出の歯止めにもなるかもしれない。直接的な効果ではツーリズムだろう。食抜きの観光は成り立たない。大阪をはじめとした関西の観光資源と組み合わせれば、集客の大きな武器となり、有望な地域活性化策となるだろう」

 【略歴】こじま・あつし 62年(昭37)同志社大経卒。63年がんこ寿司(現がんこフードサービス)創業。05年会長。95年大阪外食産業協会会長、06年関西経済同友会代表幹事、08年大阪商工会議所副会頭。和歌山県出身、74歳。

 【記者の目/世界引きつける食の実力に注目】
 中国では大阪のてっちり、神戸ビーフ、京都懐石料理をセットにしたパック旅行は即日完売するという。食の大きな引力は世界共通ということか。地域共通の特徴として大阪の食をキーワードにする取り組みはこれまで例がない。日本の食を先導してきた地域だけに、どれだけの引力を持つのか、注目される。(大阪・平野健)


【2010年3月12日 日刊工業新聞社】