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農商工連携の今(30)無添加冷凍おにぎり製販

 佐賀冷凍食品(佐賀県小城市、古賀正弘社長、0952-66-4521)は、コメ生産者の七島農産(同市)などと連携し、無添加冷凍おにぎりの開発・製造販売を行う。安心安全と味にこだわった、産地と生活者を結ぶおにぎりを全国に届ける。

 連携事業で販売するのは「鶏(とり)めし」やタイ、タコ、うなぎ、和牛などが具材の12種類の冷凍専用おにぎり。「九州上等おにぎり」などのセットにし、12個3700円で販売している。主にギフト用で通信販売やスーパーなどが販路だ。コンビニエンスストアなどのチルド商品と比べると高価だが「手がかかっており、満足感を持ってもらえる」と古賀社長は自信を持つ。

 同社は1973年に冷凍食品の卸売業として設立。93年に全国の産地食品の仕入れから取引先の棚づくりまで行う「産地問屋」へ業態転換した。食品製造への進出は、うなぎの産地偽装を懸念した1次(原料)加工業者から、信用できる2次(製品)加工と販売ルートを求められたことが始まり。当初は原料の加工を業者に委託するつもりだったが、品質管理が徹底できないため、自社設備による加工へ乗り出すことを決めた。

 おにぎりの製造は「地場のおいしいコメと具材を組み合わせればおいしいものができる」(古賀社長)と考え、うなぎを使った商品で08年にスタートした。09年6月に農商工連携事業に認定。コメや具材は佐賀県内を中心に各地の生産者から直接買い付ける。メリットは安心と鮮度。具材調達には「産地問屋」として築いたネットワークが生かされ、「産地が明確で生産者の顔が見える素材しか使用しない」(同)と強調する。農協や市場を通さないため収穫から加工までスピードアップでき、商品鮮度も向上できる。「料理店の味を家庭でも味わえるよう」(同)食品添加物を一切加えず、製造後1時間以内に急速冷凍する。冷凍は目的ではなく劣化しないための手段だという。

 14年には連携事業単独で年間売上高1億円を目指すが、「数字だけを追うのではなく、安心できる食材で安心安全の商品を供給するメーカーとしての地位を確立したい」(同)という。生産設備は09年12月に整ったばかり。今後1年間でノウハウを積み重ね、軌道に乗せていく。古賀社長は「生産者が安定して出荷できる仕組みを構築する。喜んで出荷してもらえる商品をつくりたい」と意気込んでいる。


【2010年2月22日 日刊工業新聞社】