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四国リポート/徳島県、企業誘致を積極化

 徳島県が企業誘致を積極化している。4月には拡張した徳島空港(徳島県松茂町)の供用が開始。5―10年後をめどに徳島市内を走る高速道路も完成するなど東部地域のインフラが2010年春以降、順次整備されるためだ。徳島県は農畜水産物資源に恵まれ、発光ダイオード(LED)など成長産業分野もある。進出を検討する企業にとって、近畿圏へのアクセスの良さと同時に大きなメリットとなっている。(高松支局長・林武志)

 徳島空港は4月8日に「徳島阿波おどり空港」に改称。新ターミナルビルが完成し、滑走路を2500メートルに拡張して大型機の就航が可能になる。羽田空港便は日本航空(JAL)が単独運航しているが、11年4月から全日本空輸(ANA)が5年ぶりに再参入する。

 一方、陸路では14年中に本州との玄関口となる鳴門JCT(徳島県鳴門市)と徳島IC(徳島市)間が供用を開始。徳島ICから阿南IC(徳島県阿南市)までは10年後の20年に完成する計画。四国の高速道路網「四国8の字ネットワーク」につながる四国横断自動車道ができる。

 産業面では「LEDバレイ構想」を掲げる徳島県は関連産業の集積を加速している。LED製造大手の日亜化学工業(徳島県阿南市)の技術力に触発された中小企業の振興が狙い。またリチウムイオン電池を製造する三洋電機徳島工場(徳島県松茂町)もある。これからの成長が期待される分野だ。農産物も全国有数の出荷量を誇るシイタケやサツマイモの鳴門金時など「関西の台所」として供給基地になり得る。

 現在、県が分譲する主な工業団地はハイテクランド徳島(徳島市)やソフトパークいたの(板野町)、西長峰工業団地(阿波市)など6カ所。加えて日本製紙が08年に撤退表明した小松島市の赤石地区にも用地がある。県の内野洋次郎商工労働部長は「高速道路の料金が下がったのは追い風。景気が上向いた時に乗り遅れてはいけない」と近畿圏のほか東京に本社を置く企業などの会社訪問を積極化。「今は種まきの時期」と、年間300社程度企業訪問した担当者もいる。ポイントをまとめた「とくしま企業誘致ガイド」を約1000部刷り、優遇制度など紹介している。

 その一方、県が誘致強化の対象に掲げる健康・医療分野は香川県も重点を置くなど「各県ごとの厳しい競争」(商工労働部産業立地課)という側面もある。徳島県は交通アクセスの良さとインフラ整備の進展、比較的安い土地代、成長分野の産業集積と三拍子そろった場所。地道な積み重ねが花開く日も近そうだ。


【2010年2月18日 日刊工業新聞社】