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農商工連携の今(27)国産材の合板製販−高倍率耐久壁に活用

 日本の森林には木材として利用可能な樹木が多く眠っている。こうした国産材を活用することは、森林整備や土砂災害防止にもつながる。ただ日本は地形や気候の変化が大きいため、国産材は外材に比べると性質にバラつきがあり扱いづらいとされてきた。

 ホクヨープライウッド(東京都文京区、井上篤博社長、03-3816-3041)は、自社の合板工場がある岩手県の素材流通協同組合と連携し、国産材安定供給のための流通システムを構築。経営向上と地域活性化に結びつけた。同社は木質建材の供給などを手がけるセイホクグループの1社で、合板を製造販売している。

 同社が国産材を活用するには、合板工場向けの長さに採材した原木の供給を安定的に受ける必要があった。このため2003年に素材生産を手掛ける森林組合連合会や国有林材生産協同組合連合会などが設立した岩手県素材流通協同組合(現ノースジャパン素材流通協同組合)と連携。加えて、岩手県宮古市の合板工場に小径木に対応できる加工機械を導入し、スギやカラマツ、アカマツの間伐材などの国産材の受け入れ態勢を整えた。

 現在同社の原木消費量の約8割が国産材だ。合板の燃えにくい性質を活用した「45分準耐火認定」製品や24ミリメートル構造用合板を使った高倍率耐力壁などの生産に生かしている。こうした活動が評価され、07年度には農林水産省から「木づかい運動」感謝状を贈呈された。

 宮古工場の国産材消費量は04年の3・7万立方メートルから08年には20・5万立方メートルに増加。地域の素材生産事業体の活性化に役立っている。

 コスト面では厳しいが、林孝彦常務は「国産材を使った住宅をもっと建てたい」と事業を拡大する考えだ。セイホクグループは10年度、岐阜県中津川市に、国産材のみを扱う合板工場を新設する。国産材を使うのであれば港の近くに工場を設ける必要はない。3年前から適当な木材が得られる山間地への立地を検討してきた。

 合板業界は15年までに300万立方メートルの国産材を利用するという「森林・林業基本計画」を立てている。日本の木材(用材)自給率は02年の18・2%から08年には24・0%にまで上昇。木材業界での国産材活用の動きは高まっている。ホクヨープライウッドは「国土の7割を占める森林を資源として活用する姿勢が大切」(林常務)と、今後も国産材の需要拡大を進める方針だ。


【2010年1月18日 日刊工業新聞社】