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農商工連携の今(26)無農薬大葉で加工食品−破棄分をペースト状に

 新潟県妙高市。日本有数の豪雪地帯として知られるこの地で、土木建設業を営む野本組(新潟県妙高市、野本剛男社長、0255-72-3194)。現在、本業とは別に、農薬を一切使わずに栽培した大葉を用いた加工食品の開発に力を入れている。

 建設業が食品事業―。異色の組み合わせだが、理由があった。6年ほど前、公共事業の削減などで、自社の今後について頭を悩ませていた野本社長。そのため、新分野進出にかかわるさまざまなセミナーに参加してはいたが、これといったものが見つからないでいた。

 ある時、野本社長は、セミナーで知り合った人物から「伊豆大島で面白いことをやっているので見にいかないか」と言われたのが、大葉の無農薬栽培だった。「初めはピンとこなかった」(野本社長)が、実際無農薬の大葉を食べてみると「通常の大葉に比べ、苦みがないのがはっきり分かった」(同)という。

 また「大葉は通年栽培でき、安定した収益が見込める」(同)ことから参入を決意。妙高市内に無農薬大葉栽培のための新会社、NBファームを立ち上げた。2004年10月からハウス栽培をスタート。当初は期待した収穫量に達しなかったが、06年ごろから次第に安定しだした。

 大葉はスーパーの野菜売り場で売られるほか、刺し身のつまとしても用いられる。ただ、形や大きさなど品質に厳しく、規格外で破棄するものが収穫量の2、3割にも上る。この破棄分をなんとか利用できないかと考え、取引のあった食品商社に相談したところ「ペースト状に加工するのはどうか」というアドバイスをもらった。そこで、NBファームが原料栽培、野本組が商品開発を担い、進めていくことになった。09年3月、ある程度、形ができあがり、テスト販売も始めた。東京都内の食品スーパーでは、このペーストを用いたサラダ総菜が店の推薦商品になるなど評価も上々。同年8月には従来より大葉の香りをアップさせた改良品も完成した。

 現在、野本組では、大葉を新しい妙高の地場産品として確立できないかと考え、新商品の開発に本腰を入れている。道の駅などで売られるおみやげ用のドレッシングを試作中で09年度内の完成を目指している。野本社長は「ようやく大葉ペーストという商品が仕上がった。今後、お客さんに興味を持ってもらえるような新商品を作り盛り上げ、地域活性化に貢献していきたい」としている。


【2010年1月11日 日刊工業新聞社】