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「農商工連携の今(24)青汁原料を有機栽培−せっけん・入浴剤も開発

 遠赤青汁(愛媛県東温市、高岡照海社長、089-966-6601)は、ケールを有機栽培し、遠赤外線を利用した独自製法で青汁を一貫生産している。有機農産物加工食品(有機JASマーク)にも認められ、安心・安全な商品として販売を伸ばしている。

 青汁の原料となるケールの畑は本社や第二工場がある愛媛県の東温市や西条市に広がっている。高齢化などが理由で耕作放棄された農地を借り受け、開墾してきた。愛媛県は耕作放棄地の占める割合が全国で5番目に多く、さらに増加傾向にある。

 耕作放棄地の再生では、同社が費用を負担して2、3年かけて畑に変え、農家に地代を払う。一方、耕作放棄地は何年も自然のままで化学肥料などの汚染がないため、有機栽培を行いやすいことが同社にとって利点となる。高岡社長は「販路を拡大し、栽培面積を増やすことで耕作放棄地の開墾が進み、地域を盛り上げる」との信念を持つ。

 同社の青汁は発売から約17年。品質の良さが評価され、ブランド化に成功した。百貨店やインターネットでの販売が中心で、高岡社長自らが催事売り場に立ち1週間で約200万円売り上げることもあるという。高岡社長は売り上げが低迷する百貨店や直接買いたいという顧客の要望で全国を飛び回る。「お客さまと会話することでいろいろニーズがわかる」と対面販売の効用を実感している。

 吸い上げたニーズから、ケールを活用したせっけんや入浴剤などの開発にも着手した。どんな薬や手段を試してもアトピー性皮膚炎が治らない顧客が、粒状の青汁をつぶして患部に塗ったり、風呂に入れたりすると状態が改善したという声を聞いたのがきっかけだった。

 商品化に向け6月に農商工連携の認定を受け、ケール成分を凝縮したまませっけんにする装置開発に着手。せっけんの試作品は完成し、2010年4月に発売予定だ。認定を受けたことで支援制度を活用でき、発売までの間に品質管理や市場調査などの準備を整えやすくなった。

 さらに高岡社長は「ケールせっけんに大手企業も注目している」(同)と認定というお墨付きの効果に驚く。「創業当初から視野にあった」という海外進出に向け、大手企業の協力を得る考えだ。商品構成、販路の拡大は耕作放棄地の活用拡大、地域活性化につながる。地元の自治体、農家、顧客の期待を背負って国内外で拡販する。


【2009年12月07日 日刊工業新聞社】