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農商工連携の今(19)木くずでペレット製造−ハウス栽培の加温燃料に活用

 岡山県真庭市は、面積の約80%を森林が占める全国有数の木材集積地だ。林業や製材業で出る端材や木くずをバイオマス(再生可能な生物由来資源)として活用し、地域をあげて二酸化炭素(CO2)削減の取り組みを推進。2006年に国からバイオマスタウンの指定を受けた。

 真庭バイオエネルギー(岡山県真庭市、山下豊社長、0867-42‐7210)は、木質バイオマスによる資源循環型社会の構築を目指す目的で04年に設立された。主力製品は木質ペレット。原料は製材所で発生する木くずやカンナくずで、これらを砕いて乾燥し圧縮成形して製造する。「真庭ペレット」の名称で全国販売している。

 また、木質ペレットを燃料とするペレットストーブやボイラも販売している。ペレットストーブは地球温暖化対策先進国の北欧地域では既に普及が進んでおり、化石燃料を用いない地球に優しい暖房器具として国内市場でも人気が高まっている。木質ペレットボイラは、農家のハウス栽培での加温燃料として化石系の重油に代わって木質ペレットを使用するもので、CO2削減だけでなく、石油価格高騰時には農家の経営支援にも貢献するとして注目された。

 一方で同社が新たに目をつけたのが「木粉」。間伐材や林地残材を破砕機にかけて粉状にし袋詰めした製品で油吸着材として販売予定。真庭地域の森林はヒノキがほとんどで香りが良いのが特徴。吸着力も他製品とほぼ同等だ。100リットル詰め2400円で、他製品のほぼ3分の1と競争力は高い。

 同社の売上高は創業した04年が4300万円。08年には2億2700万円と順調に伸びてきた。しかし、08年の米国発の経済危機により環境が激変、09年度売上高は前年比2―3割減少の見込み。09年2月に国から農商工連携等事業の認定を受けた油吸着材も、金属加工や自動車整備工場などに売り込んでいるが、景気の悪化から需要が伸びず「見本品を提供している段階」(長田正之専務)にとどまっている。

 経済危機によってダメージを受けているが、09年11月末までに、真庭産業団地(真庭市)内に新本社工場を建設、破砕機を導入する。これは真庭地域が「将来、木質バイオマス利活用推進事業に即応できる拠点となる技術力を作るための下地作り」(同)と位置づける。「山の環境や資源を生かし、高付加価値の商品を開発して山村再生」(同)に挑む。


【2009年10月19日 日刊工業新聞社】