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農商工連携の今(18)レンコン焼酎を製造−醸造技術振る活用し味に深み

 門真レンコンを使った焼酎で大阪府門真市の町おこしを―。こんな発想で取り組んでいるのが、大峰化学(大阪府門真市、大西康弘社長、072-882-5249)をはじめとする「あかりの会」だ。メンバーは他に、木村酒類販売(門真市)、NPOあいまち門真ステーション(同)など。12日には門真市内の京阪電鉄古川橋駅前で、披露イベントを開く。

 門真レンコンは大阪府の伝統野菜ブランド「なにわの伝統野菜」にも選定されている。一般に門真市はパナソニックの城下町のイメージが強いが、地元企業によると「昔は南部を中心に、湿地帯のイメージが強かった」(古川製作所の古川秀一会長)。その後の都市化により、レンコンの栽培池は姿を消していったが、今も市内で数十件の農家が栽培を続けている。

 大峰化学などはレンコンをもとに米麹(こうじ)を混ぜてオリジナル焼酎をつくり、市の特産品とすることを計画。商品名はレンコンの蓮(はす)と、パナソニックの象徴である電球をイメージし「蓮(はちす)の宴(あかり)」に決定。宴には電球の他に、門真市の未来を明るく照らすとの願いを込めた。

 商品パッケージやデザインにも工夫をこらす。ボトルは透明ガラス製で電球型デザインとし、パッケージも包装紙を解くと蓮の花が開いていく姿になるよう工夫した。「納得いく姿になるまで、担当者と何回も議論した」と大西社長は開発の苦労を語る。

 レンコンを原料にすると軽くすっきりした味わいになり、独特の香りもある。しかし、レンコンのイメージが強すぎるとコクがなくなる。味のバランスを取るため、木村酒類をはじめ醸造技術をフル活用、大学の研究者からも助言を受けた。他にもプロジェクトを通じて農家や商店街など、日ごろ付き合いの薄かった人たちと交流が深まり、連帯感の収穫があったという。

 720ミリリットル入りで、価格は4800円。原材料の制約があるため、合計300本のみの限定生産だ。話を聞きつけて門真市内の居酒屋はもちろん、市外企業や個人から「どこで入手できるのか」の問い合わせが寄せられているという。だが、「通信販売やデパートに卸せば、一定規模の売り上げは見込めるだろう。でもわれわれの気持ちとしては、門真でできた酒は門真市内の店だけで飲めるようにしたい。そうすれば門真市経済の活性化につながる」(大西社長)と、もうけより地元の振興を念頭に置く。


【2009年10月12日 日刊工業新聞社】