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農商工連携の今(17)農薬使わず大葉栽培−生産法人と連携し畑管理

 刺し身のつまとなる大根と同様に、大葉の存在は日本料理に欠かせない。シソの葉自体の栄養価値も健康志向と共に見直されており、飾りとして、機能性食品として大葉の需要は安定している。生で食べられることの多い大葉には高い安全性が求められる。そうした観点から農薬を使わない大葉栽培の普及に取り組んでいるのが、創風土(東京都中央区、名取仁社長、050-8882-3490)だ。

 供給先は北海道から沖縄まで。大口の得意先はローソン、コープネット事業連合、民鉄系スーパーで組織する八社会などだ。

 創風土の社名は本来の農作物の生産流通環境(風土)を取り戻す(創る)ことを祈願してのネーミング。農薬を使わなければ栽培が難しいとされる作物からスタートし、パセリなどの農薬残留性が高い作物などにも広げていくことを目標としている。

 安全な作物をつくる生産者が、販売先を憂うることなく生産できること、つまりは生産基盤の確立と食の安全を店頭で実現することをビジョンとしている。

 青じそにはビタミン類、ミネラル類が多く含まれる。また、抗酸化物質が多く、その有効性として、アレルギー抑制、抗菌作用、防腐作用などさまざまな効能があるとも言われている。

 その割に需要期に偏りがあるのも事実。お盆と年末には市場ニーズが一気に高まる。そこで、創風土では「生産者視点での連携」(名取仁社長)を目指している。

 名取社長は元々IT業界の出身。大葉づくりは農業だが、水耕栽培システムではセンサー技術なども重要な要素。「農業を経験値でなくデータ管理で行えること。(大葉の)生産に生かせること」(名取社長)が強みだ。流通ルートの確立ではダイエーの元役員の力を得た。

 品質管理でも収穫後、鮮度維持水をスプレーし、8度C設定の冷蔵庫で最低12時間の予冷を行う。これにより、作物の呼吸による消耗が抑えられ、鮮度が維持できるからだ。

 需要ピーク期には通常の月次生産の30%増には対応している。これにも連携する農業生産法人と最需要期の収穫高がピークになるような畑の計画管理などに負う面が大きい。

 契約法人は茨城県、長崎県などにあり、今後も生産能力を高めていく計画。パセリ、クレソンなど品目も増やし、4年後には年商6億5000万円以上とする考えだ。


【2009年10月5日 日刊工業新聞社】