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農商工連携の今(16)緑化用樹木を販売−造園技術生かしニーズに合致

 近年、街で目にする機会が増えてきた壁面緑化。ヒートアイランド現象の緩和策として、都市部を中心に普及が進んでいる。京阪神グリーン(大阪市天王寺区、木山総社長、06‐6771‐5754)では、環境負荷を減らすだけでなく、外観のアクセントやインテリアとしての用途も見込む緑化用樹木「カラフルeco5レンジャー」を販売している。

 壁面緑化というと緑一色というイメージが強いが、アキシラリス、ゴールデンジェム、ヒレリー、ベニバナシャリンバイ、コクリュウの5色のポット樹木を使って、カラフルに仕上げた。「5色のアクセントを生かし企業ロゴを入れるなど、広告としても使える」(木山社長)と、既存のイメージにとらわれない壁面緑化をアピールしている。

 京阪神グリーンの主力は公共事業だ。1954年の創業以来、街路樹や公園、道路ののり面などの整備を続けてきた。70年の大阪万国博覧会の前後には、高度経済成長まっただ中という社会情勢もあり、受注額は毎年右肩上がりに増えた。また、90年の国際花と緑の博覧会開催時には日本の国際造園建設業協会(AIPH)加盟に尽力するなど、日本の造園業界を陰で支えてきた。

 しかし、この2、3年で公共事業の受注が目に見えて減少した。危機を打開するため、「公共事業に頼らずにやっていける体質を作りたい」(木山社長)との思いから独自商品の開発に取り組んだ。その中で「これまでのノウハウを生かせ、付加価値の高いものを」(同)という条件から、脚光を浴びている壁面緑化に白羽の矢を立てた。

 これならば創業以来の造園技術を最大限に生かせ、時代のニーズに合致した商品が作れると確信。岡山県総社市の杭田農園をパートナーに選び、09年2月に農商工連携の認定を受けた。同農園の挿し木技術を活用し、高温で粉塵の多い都会の劣悪な環境にも耐えられる強い品種をポット樹木にすることが可能となった。

 「カラフルeco5レンジャー」は発売以来、引き合いが100件を超え、木山社長は十分な手応えを感じている。さらに第2弾として、オフィスのパソコンの横に置いても安心なように、ひっくり返しても水がこぼれず、土の汚れもないギフト用底面吸収鉢を開発中だ。主力の公共事業の増加が見込みにくい状況下で、自社製品を第2の柱として確立するため同社の奮闘は続く。


【2009年9月21日 日刊工業新聞社】