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農商工連携の今(15)モズクを加工販売−食品洗浄技術で塩漬け不要に

 現在、国内で消費されるモズクの大半は沖縄県産だ。その多くは"塩蔵"と呼ばれる塩漬け加工をしたうえで出荷されている。塩蔵の狙いは長期保存。モズクの消費量は横ばいが続いているが、近年は生産量が増加し、価格が暴落。生産者である地元漁業者には厳しい状況となっており、生産量と価格が安定する高付加価値商品の開発が喫緊の課題だった。

 そんな中、各種機械の設計・製作を手がける西光エンジニアリング(静岡県藤枝市、岡村邦康社長、054-636-0311)と宮古島漁業協同組合(沖縄県宮古島市)が協力して開発したのが、塩蔵しない生モズクが原料の「グリーンモズク」と「半生モズク」だ。西光エンジの食品洗浄・加熱技術を用いて開発に成功した。健康志向の一般消費者や外食産業が主なターゲット。宮古島ブランドを確立し、新たな市場を作り出すことを目指している。

 二つの商品は徹底した洗浄と加熱殺菌、急速冷凍の加工を施すことで、国内流通が十分に可能な保存期間を実現した。グリーンモズクは解凍すれば取れたての生の風味でそのまま食べられる。サラダ感覚で好みの味付けをしてもおいしい。半生モズクは生モズクを乾燥させて重量・体積を半分にしたもの。天ぷらやみそ汁の具などに適している。軽量で、輸送コストが安いのもメリットだ。

 一方、塩蔵したモズクは長期保存が可能だが、食べる際には脱塩する必要があり、その時に表面の独特のぬめりがなくなるなど、モズク本来の風味だけでなく、有効成分も失われる場合がある。

 西光エンジと宮古島漁協は、グリーンモズクと半生モズクの本格量産を2010年中に始める。その準備として有限責任事業組合「宮古島LLP」を9月下旬に設立。10月には試作品や販売調査用商品を製造する工場を立ち上げて生産を始める。LLPの資本金は500万円で、西光エンジと宮古島漁協のほかに、宮古島の農・漁業者などが出資する。従業員は3人。12年度に7500万円の売り上げを目指す。

 これにより「宮古島漁協がモズク原料を宮古島LLPに供給し、LLPが加工、当社が販売するという連携体が完成する」(岡村西光エンジニアリング社長)。08年9月に国の認定を受けて始めた農商工連携事業の滑り出しは順調だ。今後は西光エンジが中心となって食品展示会などへの出展を積極化。モズクの拡販に努めるほか、国内販売網の構築を目指す。


【2009年9月14日 日刊工業新聞社】