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東京湾アクアライン、8月の1日当たり交通量58%増−来客14%増

千葉県は3日、東京湾アクアラインの8月の1日当たり交通量(速報値)が前年同月比58%増の3万7500台になったと発表した。8月1日から通行料金引き下げの社会実験がスタート。県を挙げてのPRも奏功し、利用者が大幅に増えた。同日会見した森田健作知事は「順調なスタート。物流にも良い影響が出ている」と成果を強調。9月以降も切れ目なく観光キャンペーンを実施し、県内経済の活性化に結びつける方針だ。

アクアライン値下げで県内の観光施設では軒並み来場者が増えた。県によると、鴨川シーワールド(鴨川市)など南房総地域の代表的な五つの観光施設を訪れた人数は合計で1日平均約1万4000人(前年同月比14%増)。

中でもアクアラインの接岸地に近い東京ドイツ村(袖ケ浦市)は8月の来場者が前年同月比42%増。同社の担当者は「来場者の車のナンバープレートで確認したが、アクアラインを利用したと見られる車の割合がほぼ倍増している」と話す。

トラックなど物流関係の利用も増えた。8月中の大型車(軸間距離5.5メートル以上)の交通量は前年同月比31%増。観光客の流入で渋滞も増えたが、大型車で3830―2500円だった料金が1320円へ大幅に引き下げられたのに加えて「大阪や名古屋方面から木更津方面に来る際に都内を抜けずに済むのは大きい」(黒須清次両総通運社長)という。

半面、鉄道やフェリーは利用者を減らした。千葉県と神奈川県を結ぶ東京湾フェリー(神奈川県横須賀市)の8月の利用者は例年に比べて約2割減少。すでに3月にスタートしたETC休日特別割引で打撃を受けており「会社側で合理化を進めているが追いつかない」(島崎敏行総務部長)と危機感を募らせる。同社は災害時のライフラインとしてのフェリーの重要性を訴え、県などに支援を要請している。

一方、高速道路の無料化をマニフェストに掲げた民主党が政権を獲得したことで「アクアライン無料化」の可能性も生じている。民主党の関係者は「まずは社会実験の効果を見極めてから。(通行料金が変わるとしても)2011年の実験終了以降ではないか」と語る。とはいえ、県としてはなるべく早く道路行政の中でのアクアラインの位置づけを新政権に確認し、社会実験に反映する必要がある。(千葉)


【2009年9月4日 日刊工業新聞社】