HOME > 事業を広げる > 地域資源活用チャンネル

地域資源活用チャンネル

ニュース

地域商店街活性化法、ソフト面の支援強化−人材育成の施設も新設

 商店街だからこそなしえる役割を向上―。地域商店街活性化法が8月から施行された。経済産業省・中小企業庁は商店街を「地域コミュニティーの担い手」と位置づけ、従来の補助金によるハード面の支援に加え、人材育成などソフト面の支援を重視する。ただ支援対象は法人組織に限られるため、利用する場合には注意が必要だ。

 新法の柱は、(1)補助金制度の拡充(2)土地譲渡所得の1500万円の控除(3)全国商店街支援センターでの人材育成―だ。商店街振興組合などが来街者・顧客の増加と事業拡大を図るために作成した計画を認定・支援する。

 従来の商店街支援策は、アーケードなどハード面の整備に必要な資金の支援が中心だった。しかし、新法ではソフト面の支援を重視。商店街全体で催事を開く場合、中小企業活力向上事業として資金を補助する。補助率も従来の2分の1から3分の2に引き上げた(任意団体は従来通りの2分の1まで)。100万―5億円まで幅広く支援を受けられる。

 空き店舗を減らすための税制支援もある。空き店舗の持ち主が、新規開業する事業者に譲渡する場合に土地譲渡所得から、上限1500万円が控除される。

 商店街をもり立てる人材を育成するために全国商店街支援センター(東京都中央区、03-6228-3061)も新設した。企業庁は人づくりを「最も重要な課題」として、センターでは商店主や従業員向け研修、地域商店街への専門家チームの派遣など、総合的なメニューを用意する。

 意欲ある若手人材の活用で街が活性化したケースがある。茨城県つくば市の北条商店街は地元筑波大学の学生と組み、街の再生に取り組んでいる。江戸時代から昭和初期につくられた街は、大型店の出店攻勢で細っていた。かつてのにぎわいを取り戻そうと、空き店舗となっていた蔵づくりの店を活用した情報発信基地「北条ふれあい館岩崎屋」をオープンした。

 岩崎屋などで地元の筑波北条米を使ったアイスクリームを大学生が考案し発売、並行して筑波だからこそできる企画を次々と打ち出し、話題となった。何十年ぶりの新規開業や、地域に学生が定住するといった効果がでている。

 今後もさまざまな活動を進める上で資金は必要だ。北条商店街の場合、北条街づくり振興協会会員からの会費やつくば市、つくば市商工会からの補助金などで運営する。新法は対象を法人組織に限定しており、任意組織の北条商店街は支援を受けられない。法人化すると各種の手続きも増えるため、坂入英幸北条街づくり振興会会長は「(法人格にする)必要性を感じていない」と話す。

 多くの商店街が任意団体のため、企業庁は「法人化に向け、各都道府県の中小企業団体中央会や全国商店街支援センターが支援する」(商業課)方針だ。

【地域商店街活性化法 主な支援策】
●資金・税制支援を抜本拡充
・補助金 09年度42億円 補助率2/3
   (08年度 30億円 補助率1/2)
・税制措置 土地譲渡所得の1500万円特別控除
   商店街内の遊休土地の譲渡を促進(空き店舗対策)
・融資 市町村による高度化(無利子)融資の新設
   小規模企業設備導入無利子貸付(貸付割合 1/2から2/3へ)
●人づくり
・全国商店街支援センターが人材研修や支援人材(大手流通企業のOB活用)、ノウハウの提供


【2009年8月15日 日刊工業新聞社】