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首都圏レポート/開業から1年、那須ガーデンアウトレット

 那須ガーデンアウトレット(栃木県那須塩原市)が17日に開業から1周年を迎える。「地元との共生」を掲げ、那須塩原市の観光施設などと積極的に提携。2008年度の栃木県全体の観光客入込数が増加するなど「アウトレット効果」は地元に波及効果をもたらした。ただ、2年目の課題として持続的に発展するには出店数の拡大など継続的投資も欠かせない。避暑地型アウトレットの将来性を探った。(栃木・杉浦武士)

 那須ガーデンアウトレットはイタリアのトスカーナ地方の田舎町をイメージしたリゾートタイプ。運営は長野・軽井沢などで実績のある西武プロパティーズ(埼玉県所沢市)が担当している。ブランドショップなど110店舗のほか、「とちおとめジャム」や「牛乳プリン」といった地元の特産物を使った商品を販売する「那須ロコマーケット」などをそろえる。また、約20万平方メートルの敷地の半分以上を緑地が占め、買い物以外に「自然との調和」も味わえるのが特徴だ。

 西武プロパティーズによると、この1年間の来場者数は約500万人に達した。「アウトレット効果」は高く、栃木県が発表した08年度の観光客入込数では8041万人と前年度比で367万人増加した。このうち、那須塩原市は934万人と前年度比1.4倍。市町村別入込数では宇都宮市、日光市に次いで3番目に多かった。

 地元の観光施設への波及効果も出ている。那須どうぶつ王国では08年度の来場者数が前年度比で1.2倍、09年4―6月期で前年同期比1.7倍に増加した。また、アウトレット内では那須サファリパークなど12施設の案内や割引券が付く「アウトレットの次、どこ行く?」と題した観光マップを配布。集客効果を狙ったこうした取り組みが奏功した。

 ただ、2年目を迎える09年は集客を巡る争いが厳しさを増しそうだ。近隣ではショッピングセンターが相次いで開業。群馬県では185店舗をそろえる「SMARK」(群馬県伊勢崎市)が、茨城県では「あみプレミアム・アウトレット」(茨城県阿見町)が9日にオープンした。

 こうした中、カギとなるのが、周辺施設との連携強化だ。比較的、集客力が落ちる3月には地元のレジャー・宿泊施設と共同で那須塩原の食と観光の魅力を伝える博覧会「ナスハク」を初めて開いた。地元特産物を使った商品の販売ブースなどを設け、会期の10日間に主会場の同アウトレットだけで予想を超える15万人が来場した。

 今後も本格的な避暑シーズンに向けたイベント開催を予定するほか、新店導入も検討していくという。「09年は500万人以上の来客を目指す」(荒尾剛志同アウトレットゼネラルマネージャー)と強気だ。

 三菱地所系のチェルシージャパン(東京都千代田区)が展開する栃木県佐野市や阿見町のモールとは、リゾート色で差別化を図っているが、冬季の集客には課題もある。ロイヤルリゾートでもある那須塩原地域全体の魅力を訴求することで客数を伸ばしていく考えだ。


【2009年7月17日 日刊工業新聞社】