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農商工連携の今(8)宝塚バジルをブランド化

 兵庫県宝塚市で、シソ科の一種であるバジルを地域ブランドに育成する取り組みが2008年に動きだした。農家が栽培したバジルを使ったパスタソースやドレッシングを百貨店で販売する。商品企画や販路開拓を手がけるバジリーニ(兵庫県宝塚市、岡野たほ社長、0797-84-5262)と、中嶋農園など市内の6農業者が連携。さらに加工食品メーカーも加わり、「宝塚バジル」のブランド化を狙う。

 コア企業はバジリーニ。岡野社長はコア企業の役割を「農家が良質の作物を作ることができる環境作り」と強調する。また市場ニーズと合致したコンセプトの商品を企画・開発し、全国展開することで「農家はやりがいと自信を持って仕事に励んでほしい」(岡野社長)という。

 バジルは香りに特徴があり、パスタやピザなどイタリア料理に多く使われる。同社のバジルソースは日本人の味覚に合わせて玄米油を使用。イタリア料理だけでなく、焼き魚など和食にも合う味に仕上げた。収穫したバジルは次亜塩素酸で殺菌し、食品に加工する過程で熱処理を3回行うなど手間をかけて作る。商品企画段階からブランド戦略を重視し、パッケージの色やデザイン、ソース瓶の形状にまでこだわった。

 ネット上でも販売するが、店頭販売は百貨店に特化する。現在、関西地区の阪急百貨店や近鉄百貨店で販売されているほか、今後は大丸や高島屋での販売も決まった。ソースの価格は2520円(290グラム入り)で「今のところ百貨店以外で販売するつもりはない」(岡野社長)ときっぱり。それでも顧客のリピート購入率は90%という。

 宝塚市とバジルは一見無関係に思えるが、同市で生まれた宝塚歌劇団は知名度が高い。バジルに着目した理由について「バジルと歌劇はイメージが連動する。地域と関連性のない取り組みをしても意味がない」(同)と説明する。バジルの栽培期は6―9月で、連携事業の初年度となる08年の収穫量は1トンだった。今年は6トンを計画しており、バジル入りチョコレート、ピラフなど新規商品も投入する。13年度に8000万円(09年度は3000万円の見込み)の売上高を計画。

 宝塚市の面積の半分以上は農地。中でも北部の西谷地区には多くの農家がある。岡野社長は「近郊型農業の発展のためにも今後は生産量を増やし、5年後には宝塚に"バジル王国"を作りたい」と意気込む。


【2009年7月6日 日刊工業新聞社】