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大学発食品フェア、都内百貨店で大盛況

 高島屋新宿店(東京都渋谷区)で開かれた「大学は美味しいフェア」。大学で研究開発された商品を消費者にPRするイベントだ。28大学が参加し、販売した商品は300種類以上。一日当たり4000―5000人が来場した。オープンからたった30分で完売する商品もあり、「盛り上がりは想像以上」と、主催者や教員、学生が口をそろえる。人気の集まる大学発食品の中に次の大ヒット商品のヒントが隠れていそうだ。(三崎柚香)

【長蛇の列】
 「1時間半待ちでーす」という声の向こうには人、人、人…。近畿大学のイートイン・コーナーにできた長蛇の列のお目当ては、世界で初めて養殖したクロマグロ。限定600食を提供した。『近大マグロ』として、テレビや雑誌などでも取り上げられている。養殖にあわせてブランド化に成功し、「(近大マグロを)すでに知っているお客さまも多い」(近畿大広報)と、知名度は抜群だ。

 信州大学の学生が栽培、収穫、加工、瓶詰めまでを扱った手作りのリンゴジャム。無農薬、無添加で、甘い品種と酸味の強い品種とを組み合わせた。ジャムの味はリンゴそのもの。少し甘いが、香りや酸味がしっかり後味に残る。「売れなかったらどうしようと思って来た」(学生)というが、売れ行きは好調。手作り感に惹かれて買う人も多かった。

【地元名産品】
 九州大学の博多地鶏を使ったソーセージは「30分で完売」(教員)した。「どうやって赤字を出さないか考えていたのに」(同)と信じられないような表情を浮かべる。一日分の100本を売り、昼には商品がなくなってしまう状況。鶏肉のソーセージという珍しさのほか、博多地鶏という地元の名産品に興味を抱き、物産展感覚で買っていく人もいたという。

 実習用の農場で作った麦、米を使った宇都宮大学の焼酎は、すっきりと優しい飲み口だ。また、北見工業大学は地元産のタマネギを太陽光に当てるという独自製法で、栄養価をアップさせた酢を開発。タマネギの香りは強いが、意外と飲みやすい。高齢者などが、健康志向ともの珍しさで買っていくようだった。大学は量産しないため、いずれも数量限定。希少価値も売り上げアップに一役買っている。

【差別化と競争】
 これほどの大盛況について、主催した小学館の松元浩一ディレクターは「大学が思っている以上に、外部の人は大学の存在に関心を持っている」と分析、「大学ブランドの目新しさが受けている」という。ただ「あくまでもフェアはきっかけであり、お祭りで注目されることで大学がどう変わっていくかが大切」と話す。「大学ブランドは成功するといつか飽きられる。トレンドで終わらないよう、事務方、教員、学生が一丸となりアピールを考えていくべきだ」。

 参加した大学側からは「他大学の取り組みを知って刺激になった」との声が多く出た。他大学との差別化や競争は始まったばかり。企業との連携やインターネット販売を取り入れて、各地域の景気を刺激するような独自展開ができるか、勝負はこれからだ。


【2009年6月18日 日刊工業新聞社】