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農商工連携の今(5)加工工夫、通年販売可能に

 ずんだジャムやずんだケーキなど、枝豆をすりつぶして作る東北地域の郷土料理「ずんだ」を活用した新商品を開発、地域の特産品に育て上げようとする取り組みが宮城県栗原市で盛り上がっている。菓子小売業のパレット(宮城県栗原市、高橋寛社長、0228-22-8010)と農業者の愛宕産土農場(同、佐藤均社長)が連携。愛宕産土農場が減農薬・低化学肥料で枝豆を生産し、パレットが低温・真空調理技術でずんだに加工、商品化する。今年は生産能力を増強し、枝豆の収穫期となる7―9月に向けて準備を整えている。

 季節料理のずんだはこれまで、長期保存に向かないと考えられてきた。パレットの高橋社長は、低温・真空条件下で加工する技術を利用することで、常温で60日間長期保存できるずんだを開発、通年で高品質の商品を販売できるようにした。

 「会社の事業を拡大するうえで、飛び道具になるような商品が欲しかった」と、高橋社長は商品開発のきっかけを振り返る。宮城県北部地域の2店舗でパンや洋菓子を製造・販売する同社は、他地域への出店というリスクを冒すより、賞味期限が長く付加価値が高い製品を投入することで事業を拡大しようと考えた。

 パレットは08年に欧州製の真空調理機器を1台購入、同機器を使った調理法の研究を重ね、ずんだを作ってみた。ずんだは、枝豆を収穫後にゆでてむき身にしてからペースト状に加工する。真空調理機器を使っての具体的な加工方法は企業秘密だが、枝豆の味と香りを落とさず、抹茶のような鮮やかな緑色を保ったまま長期保存できるずんだペーストやジャムを作ることに成功。「売り物になりそうだ」(高橋社長)と手応えを得た。

 その後、本格的な商品化に向けて枝豆生産者を探した。海外からの輸入に頼らず、地元の材料を使いたいと考えていたところ、偶然にも実家近くの畑で作業をしていた愛宕産土農場の佐藤社長と知り合い、連携に至ったという。

 農場は枝豆を収穫、ゆでてむき身にするまでを担当する。今年の枝豆の収穫量は13トンを予定しており、行政の支援を利用して枝豆をむき身にするための装置を購入した。

 一方、パレットも真空調理器具を新たに1台購入、ずんだの生産能力を倍増した。09年はずんだを使った洋・和菓子での新商品も計画。2012年度には、ずんだ関連商品で1億円の売り上げを目指し、栗原地域の新ブランドに育てる考えだ。


【2009年6月8日 日刊工業新聞社】