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アンテナショップ進出、JAPANブランドを世界に

 国内市場が縮小する中、成長拡大を続ける新興国や欧米市場を狙った販路開拓も、中小企業が成長するための一つの手段となる。欧米の百貨店の一角にアンテナショップを設け、日本の中小企業製品の売れ行きを試すなどの支援策が出始めている。中小の場合、最初から単独で海外に進出するのはリスクが大きいが、国などの支援策を利用して現地消費者やバイヤーの反応を見ることで、新たな市場を狙いやすくなる。

【期間限定】
経済産業省・中小企業庁が04年度から行っているJAPANブランド育成支援事業。地域の中小企業が一丸となって生み出した生活用品、サービスの価値を高め、世界に通用するブランドに育てるのが目的だ。

 JAPANブランドを世界に発信する新たな試みとして、海外テストマーケティングが現在、米国・ニューヨークで開催中だ。日本商工会議所と全国商工会連合会を通じて、JAPANブランド事業で開発を進め、完成した商品が持ち込まれた。18日―30日までの期間限定で商品が並ぶ。

 「ストアデザインや展示品だけでなく『ここで買える』ことに来場者は大変満足の様子」―。店舗運営を任されたフェリシモの担当者は実感を込める。初日は289人が来場、955ドルを売り上げた。

【100ドル以下】
商品は各地の商工会議所、商工会がまとめ役となって開発した。鋳物の町で有名な川口商工会議所は、1600キログラムの加重でもひび割れしない鋳物鍋などを出品した。会津若松商工会議所の新しい会津塗りの方向性を模索した新ブランド「BITOWA」は米国で人気だった。

 「和」を感じさせる商品に対する欧米での注目度は高い。ただ「売れるものとウケるものは違う」(政府関係者)というシビアな見方もある。

 小売価格100ドル以下の商品が、買いやすい商品の一つの目安になる。5月末からは英国・ロンドンで、6月にはドイツ・フランクフルトで、2010年に入ってからも仏・パリやイタリア・ミラノ、中国・上海、シンガポール、ドバイなど計12カ所で開催する予定だ。

【支援策を総動員】
JAPANブランド以外にも、中小企業が海外に進出したい場合に、段階に応じたさまざまな施策が用意されている。海外諸国の現地情報やビジネスマッチング情報を知りたい企業には日本貿易振興機構(ジェトロ)の「海外調査・情報提供事業」が、海外販路開拓や外国企業との業務提携をする際の支援策を知りたい場合にジェトロ「海外進出支援事業」などが使える。

 本格的な取引が始まった時には、輸出時のリスクに保険をかけられる日本貿易保険や、輸出で外国政府から不当な扱いを受けた場合にはジェトロの「中小企業等の輸出に関する海外市場アクセス政府レベル支援制度」などもある。

 海外展開に意欲を持つ中小企業を地方経済産業局などが選び出し、企業の戦略に応じた集中的な支援を進める事業を、海外現地情報に強いジェトロや、中小企業の経営支援に強い中小企業基盤機構などの支援機関が支援策を総動員してサポートする事業もすでに始まっている。


【2009年5月25日 日刊工業新聞社】