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農商工連携の今(4)県産果実の消費拡大−急速冷凍でうま味凝縮

 愛媛県はかんきつ類の王国。ミカンやイヨカン、ブラッドオレンジ、ライムなど種類が豊富だ。かんきつ類を使ったジュースやシャーベット、ゼリーなどに加え、冷凍クラッシュ果汁が今、注目を集めている。

 農林水産省認定のエコファーマー農家と消費者ら約60人が出資する「のうみん」(松山市、吉田清美社長、089-914-5120)は09年末をめどに、イヨカン、ブラッドオレンジ、ライム、「紅まどんな」を使った業務用冷凍クラッシュ果汁の発売を目指している。

 冷凍クラッシュ果汁は急速冷凍技術を持つ田那部青果(松山市)と共同で開発。搾った100%果汁を急速に凍らせたもので、好きな大きさに砕いて食べることができる。

 「良質のかんきつ類から搾取した甘酸っぱい果汁を瞬時に閉じこめた。味には自信がある。酒にもぴったり」(森茂喜開発担当取締役)という。すでに生のイヨカンをくり抜き、皮を容器にして果実を搾った果汁のシャーベット「まるごと甘夏シャーベット」を発売。これらノウハウが冷凍クラッシュ果汁にも生かされている。

 のうみんは生産者と消費者が互いの枠を超え、新しい生産と流通を考える目的で00年に設立した。田那部青果は農家から直接みかんなどを仕入れ出荷する側で、両者はのうみん発足時からの付き合い。田那部青果が06年に開発した急速冷凍技術を用いて製品化した果汁100%シャーベットは、うま味を凝縮して逃がさない加工技術を活用している。

 これまで冷凍クラッシュ果汁の試作品は田那部青果内に開発機を置き、研究してきた。本格販売に向け量産設備の導入を予定しており、製造は田那部青果に委託する。のうみんは松山の大学生、調理師の専門学校生らの協力を得ながらブランド戦略を手がけていく考えだ。

 のうみんがブラッドオレンジの有数の生産者だけに、原料の供給は問題ない。さらに増産し、余分の果実は冷凍保存し、加工品にまわす考え。一方、ライムは松山市が生産量日本一の産地を目指し、苗木約2万本を市内農家に格安で販売、支援する事業を始めたことも追い風となる。

 のうみんの武田幸子専務は「設立から約8年。決して順調ではなかったが、これまで多くの賛同者に支えられてきた」と振り返る。今後も連携で愛媛産かんきつ類の消費拡大と新ビジネス開拓に挑む。


【2009年5月25日 日刊工業新聞社】