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「ふるさと納税」導入から1年−地域・自治体で明暗

 出身地や応援したい自治体に5000円を超える寄付をすると個人住民税などが軽減される「ふるさと納税」が始まって、5月で1年がたった。地道な取り組みで成果を上げる自治体がある半面、寄付がゼロの市町村も。自らの地域を対外的にどう売り込むか、努力とアイデアによって明暗が分かれつつある。

 都道府県ごとの08年度の実績を見ると、1件2億円の高額寄付を受けた栃木県が総額2億2420万円と目立つ一方、件数ベースでは761件の鹿児島県(6212万円)がトップ。同県によると、「県出身者らに直接会ってお願いする地道な努力」(財政課)が実を結んだ。青森県は昨今の検定ブームに乗り、「ふるさと納税広報士」の検定試験を実施。3月末で324人の広報士が誕生し、活動を盛り上げている。

 寄付の見返りに地元特産品を贈る取り組みには「制度の趣旨に反する」との批判もあったが、地酒などをプレゼントしている島根県出雲市は1778万円を集め、「特産品PRにつながった」(政策課)。京都府伊根町は、特産品贈呈を制度初期の宣伝ととらえ、「2011年度に廃止する」と宣言。その間、特産品の販路開拓に励む考えだ。

 一方、総務省調査によると、寄付がゼロだった自治体は昨年末時点で116市町村あった。このうち静岡県焼津市や福岡県春日市は、ホームページで周知はしたものの、「プラスアルファの取り組みがなかった」(焼津市)と反省する。

 制度設計に携わった島田晴雄千葉商科大学学長は、「地方財政にとっては、わずかな効力しかないかもしれないが、自分の自治体を知ってもらうため競争することが大事。自治体が継続的な努力をすれば、制度は続いていくだろう」と話している。


【2009年5月8日 日刊工業新聞社】