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地方分権、いよいよ本格始動−今春に3次勧告(上)

 国と地方の役割分担を明確化し、二重行政の排除を目指している地方分権改革推進委員会(丹羽宇一郎委員長=伊藤忠商事会長)。08年12月8日に政府に提出した第2次勧告では、8府省・15系統の出先機関職員(定員9万5836人)について1万人程度を地方に移し、将来、3万5000人程度を削減する数値目標を盛り込んだ。さらに今春にも、地方の税財源制度改革が焦点となる第3次勧告をまとめる。地方が活性化する地方分権がいよいよ本格始動する。第2次勧告の内容を踏まえた上で、地方分権の今後の課題などについて聞いた。(大塚久美)

 地方分権改革推進委員会がまとめた第2次勧告では、地方整備局など六つの出先機関は、新たに設置する企画立案部門の「地方振興局」と公共工事など現業実施部門の「地方工務局」に統廃合し、全国8ブロックに設置する。

 各地の知事などが参加する協議機関「地域振興委員会」(仮称)を設置し、両局の動きを監視する。

 これにより、国営公園の管理など74項目が国の出先機関から地方に移されるほか、現時点では直轄国道の12%程度、一級河川109水系のうち6水系が地方に移管されることになっている。

 国道や河川管理を地方に移す際、人とカネも移管することで地方分権を進めるという方向性が見えてきた。地方に移管することで各都道府県の議会によるチェック機能が働き、無駄遣いを減らすことが可能となる。

 今春、分権委は第3次勧告をまとめる。どうすれば地方自治体が国に頼らずに、独自で税収を確保できるか、その仕組みづくりのあり方などが議論のポイントになる。この第3次勧告までの分権委勧告を基にして、政府は今秋をめどに分権委の勧告に沿った新・地方分権一括法案を作り、国会に提出する予定だ。

 【分権委2次勧告・私はこう見る/全国知事会事務総長・中川浩明氏】

 今回の第2次勧告についての多くの知事の意見は、許認可の基準など国による「義務付け・枠付け」の見直しについては中間的な見解を表明した今の時点では評価する。国の出先機関の見直しについては評価は低い。国の権限で地方へと移譲されるものが74項目と少なすぎることからみても、分権の感覚が乏しいということだ。我々が主張した地方への権限移譲、役割分担の見直しの数をもっと多くし、その上で出先機関を廃止・縮小すべきであった。

 結果的に、現状維持を前提としてどの仕事をどのようにやるか、ということに主眼を置いた勧告となった。だから、地方振興局や地方工務局を創設するという合体方式を採用したのだろう。

 地方自治体は総合的な行政機関として位置づけられている。市町村は住民生活全般にかかわる仕事を行い、都道府県はさらに広域的な仕事として住民・県民に総合的な仕事を行っている。よって、ブロックごとに地方振興局などの総合的な国の出先機関ができるのは、地方自治本来の姿からすると相反する。

 私個人は、分権的な道州制が将来の地方自治の理想なのではないかと考える。国と地方の役割が明確に分かれて、地方が自主的に自由な発想で地域づくりや住民の福祉、教育などの面でサポートできるようにすることが必要だ。現在の都道府県を超える広域的な行政も、道州制ならば担うことができる。そうなれば国の出先機関は不要となる。しかし、道州制の体制が整うには早くてもあと10年はかかるだろう。(談)


【2009年1月5日 日刊工業新聞社】