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検証2008/中部の航空宇宙産業‐行政、支援策矢継ぎ早

 中部地域で08年に注目された産業は航空宇宙産業だ。中部には三菱重工業や川崎重工業、富士重工業といった機体メーカーの主要工場があり、航空宇宙産業の日本全体に占める部品生産量の約50%が集積しているといわれている。中部の主要産業の自動車産業が元気を失っているなか、航空宇宙産業への期待が高まるばかりだ。

 11月、中部地区初の航空宇宙産業に特化した展示会が名古屋市で開かれた。「航空宇宙産業技術展(AITEC)2008」がそれ。航空宇宙産業への新規参入を目指す中小企業を中心に212社・団体が出展。産業界からの注目度は高く、会場には地元主要メーカーのトップが自ら足を運ぶ姿が見られた。閉幕後には「テーマが絞られており、来場者の質問も専門的で真剣だった」(出展企業担当者)との声が多く聞かれた。

 08年は、AITECへの出展企業など、新規参入を目指す中小企業に対し、行政などからの支援策の表明や実施も目立った。愛知県は航空機産業への参入を目指す中小企業支援を目的とした組織「航空機部品供給システム研究会」を09年1月に設立する。定期的に航空機メーカーや参入に成功した中小企業などから講師を招いてセミナーを開くほか、会員同士が情報交換を行う。また名古屋商工会議所は、航空機関連企業への工場見学会を始めた。航空宇宙産業への理解を深めてもらい、中小企業の参入を後押しするのが狙いだ。

 こうして、新規参入組への支援を実施する一方、既参入組も含めて航空宇宙産業全体の活性化を目指した動きも始まった。その一例が、中部経済産業局が事務局となって立ち上げた「航空宇宙産業フォーラム」。中部経済連合会や名古屋大学などが参加し、航空機部品メーカー間のネットワーク構築や人材育成、技術の高度化などを推進する組織だ。この地域の航空宇宙産業の競争力を強化する取り組みとして期待されている。

 07年度の日本の航空宇宙産業の市場規模は1兆1127億円とされる。今後、この規模を拡大するとともに、この産業を中部の産業の柱の一つに育てるには、中小企業の成長と活躍が欠かせない。自治体などによる各種支援策が実を結ぶかどうかが、カギを握る。


【2008年12月19日 日刊工業新聞社】