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インタビュー/福岡県久留米市市長・江藤守國氏

福岡県久留米市は周辺4町と05年2月に合併。08年4月に中核市へと移行した。6月には同市の荒木・藤光地区に不二越が進出を発表、9月には吉本工業団地にあるダイハツ九州久留米工場が稼働した。今後、自動車関連産業の集積を加速させるとともに地域経済の活性化に期待がかかる。そこで、江藤守國市長に同市の取り組みなど聞いた。

―市周辺に企業進出が相次いでいます。

「久留米市の都市機能を高く評価していただいた成果だと思っている。市内には久留米大学医学部や久留米工業大学、久留米工業高等専門学校などが集積する学術研究・医療都市で、人材も豊富だ。九州を縦貫・横断する高速自動車道路が通る交通の要衝でもある。アジア戦略を視野に入れた不二越の進出は製造だけではなく、販売や人材を育成する拠点という。また、ダイハツ九州のエンジン工場として本格稼働した久留米工場も当初は約21万基だが、第2エンジン工場増設も視野に入れると聞く。自動車関連産業の集積を図るチャンスととらえ、積極的に企業誘致を強化していきたい」

―その取り組みは。

「自動車関連産業では地元周辺地域の新規取引拡大を促進するために06年度から久留米広域商談会を開いてきた。07年度は171社が参加。そのうち、発注企業は39社。全体の受注実績は22件で地元企業10社が取引を開始した。ただ、地元企業の技術力向上を図るには人材育成が大きな課題だ。そのため、地元企業への技術的支援や産業振興奨励金、産業立地交付金などの融資制度の充実も図っていく。また、3年以内にはダイハツ九州久留米工場周辺に約30万ヘクタール規模の工業団地造成を検討しており、企業誘致に拍車をかけたい」

―九州の拠点都市である将来の久留米市とは。

「自動車関連産業の集積に限らず、福岡県が推進するバイオ技術を核とした産業・研究開発の集積地となる『福岡バイオバレープロジェクト』の拠点都市でもある。市内にはバイオベンチャーとバイオ関連企業が24社ある。久留米大医学部を中心に農工商医連携をこれまで以上に加速させることで新産業創出や雇用の安定を図り、子育てをしやすい町づくりを目指したい」

【略歴】えとう・もりくに、64年(昭39)九大経卒。65年久留米市役所に入る。83年商工部次長、85年商工部長、03年久留米市長。福岡県出身、67歳。

【記者の目/産学官で地域経済活性化を】

久留米市はブリヂストン発祥の地。タイヤや靴などゴム産業が地域経済をけん引してきた。ただ、製造品出荷額の減少など地域産業の低迷が続いた中、北部九州地域で進む自動車関連産業の集積が波及し、ダイハツ九州久留米工場の稼働は同市にとって転機となる。

一方で米国発の金融危機や自動車の減産傾向の中、地域経済の浮上には地元企業への支援が大きな課題だ。大手企業進出を契機に産学官が連携した地域経済の活性化を期待したい。

(西部・廣木竜彦)


【2008年11月24日 日刊工業新聞社】