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点描/瓦屋根の復権目指す愛知県陶器瓦工業組合

【日本一の生産地】

愛知県西三河地方の三州瓦業界が、瓦屋根の復権に力を注いでいる。三州は全国の陶器瓦の約6割の生産量を誇る日本一の生産地だ。古くから日本の住宅に欠かせなかった瓦は、マンションの増加やほかの屋根材との競争で徐々に減少。現在、全国の瓦出荷量は最盛期の73年と比べると約4割にまで落ち込んでいる。

07年は改正建築基準法の施行により住宅着工戸数が減少したほか燃料価格の高騰もあり、瓦メーカーへの逆風が強まった。三州でも、業界のまとめ役を務めていた企業が事実上倒産するなどし産地内に衝撃が走った。

現在、産地内では大手企業と、大手メーカーの下請けを行う中小企業との格差が歴然としている。07年の逆風は大手企業以上に下請け企業を直撃した。企業体力が低下し「水面下では統合を模索する企業もあるのでは」(瓦企業役員)との見方もある。

【産地内企業が連携】

しかし「産地内競争ではなく産地内協力をすべきだ」(杉浦勝典愛知県陶器瓦工業組合理事長)との声も強く、産地内の企業が一丸となった活動も展開中。柱となるのが、地産地消を目的とした木造住宅への取り組みと環境対応だ。

産地の瓦メーカーが集まっている愛知県陶器瓦工業組合は、地元の林業家などと共に「あいち“甍の家”システム推進協議会」を設立した。国土交通省の「地域木造住宅市場活性化推進事業」の補助採択を受け、消費者に地産地消の木造住宅を提案するのが狙いだ。他業種と協力し、地元建材と瓦の良さを見直してもらおうと力を入れている。

【環境対応追い風】

政府が提唱する「200年住宅構想」や環境対応も追い風といえる。組合は95年、瓦製造時に出る廃材を再利用するための「シャモット工場」を設立し、資源の有効活用にも乗り出した。また、メーカーもここ数年、太陽電池設置用の瓦の開発や、耐久性を高めた環境対応製品の開発を強化しつつある。

過去の震災時に一部の報道で、消費者に「家が倒壊したのは瓦が重いから」という間違った認識が植え付けられ、瓦離れが起きたこともある。業界では、この認識を取り払う啓発活動を続けながら、耐久性など瓦本来の良さをアピールし、瓦の復権につなげていく。

(名古屋・本多由希子)


【2008年11月24日 日刊工業新聞社】