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首都圏リポート/埼玉・川口市、B級グルメで街づくり

“うまいぞ!!西川口”で街づくり―。埼玉県川口市のJR西川口駅周辺で、地元の商業関係者や川口商工会議所を中心にB級グルメの街に向けた挑戦が始まった。24日には「第3回埼玉B級ご当地グルメ王決定戦in西川口」が開かれるが、川口代表として「キューポラ定食」をPRする。街づくりに弾みをつける絶好の機会となりそうで、かつての違法風俗の街から脱却する取り組みが動きだした。(さいたま・孝志勇輔)

【再生会議】

JR京浜東北線・西川口駅の西口周辺は、オートレース場や競艇場の最寄り駅。このため、安くておいしい飲食店が立ち並ぶ一大歓楽街を形成していた。しかし、06年に埼玉県警察が違法風俗店の一斉摘発を実施。それまでの集客源を失った飲食店街もさびれていった。西川口西口駅前中央通り会の宇佐美徳紀会長は、「街の灯が消えてしまったようだ」と寂しそうに話す。

危機感を募らせた商業関係者や不動産業者などは、7月に「西川口駅西口再生会議」を設立した。同時期には川口会議所も活動拠点となる「西川口街づくりステーション」を設置。街の活気を取り戻すために同会議と連携する。

【「味はA級」】

再生会議では「味はA級、値段はB級」の街づくりを進めている。決定戦に向けて同会議は、川口市食生活改善推進員協議会が提案した「キューポラ定食」を川口代表に選定。鋳物の街にちなみ、鉄分が多いひじきなどが入った「鉄骨いなり」と、赤唐辛子をすいとんに練り込んでビリビリと辛い「雷すいとん」がセットになっている。

キューポラ定食は単に決定戦の川口代表というだけでなく、B級グルメの街の代表的メニューとして定着させる必要がある。「市内で扱ってもらえる飲食店を探し、キューポラ定食を街づくりに生かしたい」(同会議)考えだ。

街の活性化には一斉摘発で生まれた空きビルの解消も重要な課題だ。同ステーションによると07年10月時点で、西口周辺の空き店舗や空きフロアは約180カ所に上るという。

【改装費がネック】

そこで同会議所は、内閣府所管の「地方の元気再生事業」を活用し、キューポラ定食を含めてB級グルメを提供する出店者の募集を始めた。一店舗につき開設費用として262万5000円を上限に補助し、家賃も出店決定から09年3月まで総額42万円を補助する。「なんとしてでも募集する2店舗を埋めて、成功例にしたい」と同会議所も誘致に必死だ。しかし一斉摘発の影響で改装するには相当の費用がかかる。出店希望者も二の足を踏まざるを得ない状況だ。

街の再生には時間がかかりそうだが、宇佐美会長は「東京の高円寺や阿佐ケ谷のような駅前の雰囲気にしたい」と意気込む。今後は地元で高まりつつあるB級グルメの街への機運を引き続き、決定戦後も生かせるかどうかが街づくりのカギとなりそうだ。


【2008年11月21日 日刊工業新聞社】