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地域資源活用チャンネル

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点描/高付加価値モノづくりを目指す山形・米沢地域

【産学官金が連携】 地域から世界を見据える―。経済のグローバル化が進む中、地域のモノづくり企業が今後の生き残りに向けて、どのような方向性を目指すのか。山形県・米沢地域で産学官金が連携して地域のモノづくり企業の継続的な成長を模索する試みが始まっている。

山形県最南部に位置する米沢市は現在人口が約9万人。工業出荷額は7331億円(工業統計調査06年確報)で、県内で最大の規模。市町村別の情報通信機械工具出荷額(05年工業統計)では、静岡県掛川市に次いで全国2位となっている。電機・電子関連の中小企業群が集積する米沢地域。そんな米沢地域のモノづくりが抱える課題は、いかに付加価値率(製品に占める付加価値の割合)を引き上げるか。地域モノづくり企業との連携を進める山形大学地域共同研究センターの小野浩幸副センター長は「これまで米沢地域は一人当たりの生産性を高め、数量増を頼みにしたビジネスモデルをつくってきた」と指摘する。海外との競争が激化する中、これまで地域の成長を支えてきた「米沢モデル」の転換が求められている。

【経営力引き上げ】 地域のモノづくり企業が競争力を持つには人材育成の強化が欠かせない。山形大学は、理工学研究科ものづくり技術経営学専攻(MOT)に新たな「世界戦略MOTコース」を09年4月にスタートする。

山形大が提案した「世界俯瞰(ふかん)の匠」プログラムが08年度の文部科学省科学技術振興調整費に採択されたもの。グローバルマーケティングから国際商取引、品質管理、リスクマネジメントまで「世界市場を俯瞰できる技術人材の育成」(小野副センター長)が狙いだ。対象は地元のエレクトロニクス分野の中小経営者らで、地域のモノづくり企業の経営力引き上げに向けた取り組みが期待されている。

【大きな転換期】 地域のモノづくり企業の経営力を高める動きとしては、山形県米沢地域の自治体、モノづくり企業、金融機関、大学などで構成する産学官金連携組織「米沢市自動車関連産業等地域活性化戦略協議会」が9月に発足した。

自動車関連産業との意見交換などにより、地域のビジネスモデルの構造を変えていく試みが始動している。高付加価値に向かうにはどうすべきなのか。地域のモノづくり企業にとって、大きな転換期が訪れている。

(山形支局長・大矢修一)


【2008年11月17日 日刊工業新聞社】