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ウォン安・景気後退‐大阪の観光産業ダメージ

 急激なウォン安や景気後退を受けて、日本を訪れる韓国人旅行客の数が減少している。日本政府観光局(JNTO)によると、9月に日本を訪れた韓国人旅行客は15万9500人で、07年9月に比べ20.8%減少。2割もの減少は10年ぶりという。他地域に比べ韓国人旅行客の比重が高い大阪の観光戦略にも、ダメージを与えそうだ。

 近畿運輸局によると、07年の大阪府内の外国人宿泊者数は約250万人で、国籍別では韓国が25%を占めトップ。韓国の減少は、そのまま全体の数字に影響を与える。

 東京・秋葉原と並ぶ電気街・日本橋筋商店街(大阪市浪速区)の総合案内所では、9月末から10月にかけ韓国人の来所者が6割以上減少した。同所には毎日およそ50人が訪れるが欧米人に変化は見られず、韓国人にのみ減少がみられるという。

 繁華街ミナミに立地する大阪なんばワシントンホテルプラザ(大阪市中央区)には、9月に約4000人訪れていた韓国人客が10月には約1200人まで減少。個人旅行や修学旅行のキャンセルによるものだ。同ホテルでは韓国への営業活動を増やし、客を呼び戻す努力を続ける。

 大阪のシンボルとも言える通天閣(大阪市浪速区)は、11月1―3日の3日間で、韓国をはじめ中国や台湾などのアジア人観光客が従来の3分の1に減った。ウォン安に代表される円高の影響だ。幸運の神様とされる「ビリケン」像への外国通貨のさい銭もそれに伴い減少。減少は10月中旬以降から目立っており、現在の状況が続けば年間約1万人訪れていた外国人客が半分になるとみている。

 近畿運輸局や大阪府などは4日からソウル市と釜山市を訪問し、関西へ教育旅行を誘致する使節団を派遣している。ウォン安の中の、何とも悪いタイミングだが「飛行機よりも旅行費が安い、フェリーを使った旅を提案したい」と"割高感"払拭(ふっしょく)に懸命だ。

 東京や名古屋に比べ、大阪はアジア地域に近く、韓国人客の支出に頼る比率もその分、高い。航空会社の減便に悩む関西国際空港でも、アジア便の増加は全体の増加を図るうえで大きな意味を持つ。それだけにウォン安にともなう韓国人客の減少は大阪の観光関係者にとって出ばなをくじかれた側面が大きく、当面、試練の時期が続きそうだ。


【2008年11月8日 日刊工業新聞社】