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「川口鋳物の日」−川口鋳物工業協同組合、反転攻勢へ一致団結

 川口鋳物の伝統と誇りを守る―。原材料の高騰に伴うコスト増分の製品価格への転嫁に向けて、川口鋳物工業協同組合(埼玉県川口市、児玉洋介理事長)は、組合員のバックアップを強めている。今年で3回目となる11日の「川口鋳物の日」は鋳造業の振興のため、同組合が結束を一層固める機会となりそうだ。(さいたま・孝志勇輔)

 「川口鋳物の日」は同組合が、1905年(明38)8月11日の設立から100周年を迎えたことを記念して06年に制定された。高度経済成長時代には600社を超えていた組合員数が、現在は約150社にまで減少した中で、鋳造業を再び活性化する狙いもあった。

 さらに原材料や副資材の高騰で各社は収益を圧迫されて厳しい状況が続くが、少しずつ改善の兆しも見え始めている。経済産業省・中小企業庁が「下請け適正取引等の推進のためのガイドライン」を策定し、同組合も説明会などを開いて周知してきた。ユーザーにも浸透して効果が表れている。

 今春には原材料の値上がりを受けて、各社が価格転嫁の交渉を実施し、同組合もユーザーに値上げへの理解を求める文書などを独自に作成。6月までに大部分のユーザー企業が1キログラム当たり約30円の価格上昇を受け入れた。児玉理事長は「ユーザー側も買いたたきがあってはイメージが悪くなるため、担当者の意識も変わってきている」と話す。

 川口には高度な鋳造技術を生かし、ユーザーと適正な取引関係を築いている企業も少なくない。また、社内を徹底的に把握し、ユーザーに説明することで価格転嫁を達成するケースもある。単に値上げを要請するのではなく、原材料の上昇分や製品の受注価格、工程ごとの作業時間などを細かく分析して交渉しているという。

 原材料高が続き、ユーザーに価格転嫁をさらに要請する必要がありそうだが、「春先に上げたばかりで厳しい」といった見方が多い。すでに効率化で補える限界を超え、景気減速により先行きも不透明感が広がる。「川口鋳物の日」を機に、同組合は一致団結して苦境を乗り越える取り組みを加速させる。


【2008年8月11日 日刊工業新聞社】