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地域資源活用チャンネル

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インタビュー/場所文化フォーラム代表幹事・吉澤保幸氏

 市民グループやNPO法人が中心になって地域づくりに乗り出す動きが活発化している。地域で生活する人の目線に立ち、新しいライフスタイルを提言、具体的な行動に移そうというもの。市民グループの一つ「場所文化フォーラム」は帯広商工会議所青年部など3団体とともに、北海道洞爺湖サミットに合わせ、北海道十勝地区で「とかちローカルサミット」を開催。食や経済などテーマ別に地域づくりのあり方を提言し、活動をさらに広げていく方針だ。吉澤保幸代表幹事にローカルサミットの意義と活動の方向性を聞いた。(村山茂樹)

 ―場所文化フォーラムの活動の目的・内容は。

 「『場所文化』とは行政区画ではなく、自然にできあがった一定のローカル空間のことを指す。そこで営まれる生活や、自然と向き合いながら紡ぎ出された言葉、景観、価値観などを大切にしたいと考えている。勉強会や各地域に出向いての交流会、都内に北海道・十勝地区の食材を生かしたレストランの運営参画などを行っている」

 ―「とかちローカルサミット」開催のきっかけは何ですか。

 「さまざまな活動で出会った人たちと何かしたいと思っていた。07年のエコビジネスの芽を見つけ、育てるコンテスト『エコジャパンカップ』で賞をいただき、その時に出会った方と洞爺湖サミットに合わせてイベントをやることにした。地域づくりに携わる志の高い“志民”が集まり、国ではなく足元の目線で食や経済などを考え、行動を始めるきっかけの場にしようと思った。大切なのは次代につないでいく、すなわち命をつないでいくことだ」

 ―ローカルサミットで宣言を採択しました。

 「持続可能な地域社会をつくり出すため、六つの実践項目をまとめた。一つは『くらしの起点を命の原点である農林水産業におく』を挙げた。自然の恵みのおかげで我々が生きられることをあらためて認識するべきだと思う。このほか、『まちづくりは都市と農村との交流を組み込んだ農商工連携で取り組む』『環境保全は森・里・海の関係から構想する』などがある。新しい21世紀型のビジョンとしたい」

 ―今後の活動は。

 「現在、都内で北海道・十勝の食材を使ったレストランを運営しているが、新たに日本各地の食材を取り寄せて、食文化を伝える飲食店の開設を検討している。また、山梨・勝沼地区のぶどう景観や、高知の林業などの保護を目的とした地域再生ファンドの展開を考えている。志のあるお金を募り、投資の結果として農産物がもらえるなど、新しいコミュニティー通貨の創出に取り組みたい」

 よしざわ・やすゆき 78年(昭53)東大法卒、同年日銀入行。98年に退職し、01年ぴあ入社。02年取締役、08年顧問。レストラン「とかちの…」大店長。新潟県出身、53歳。


【2008年8月1日 日刊工業新聞社】