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近づく、つながる、東海北陸(下)愛知・一宮−富山・砺波、5日全線開通

 【道路料金を割引】

 東海北陸自動車道が5日に全線開通することを契機に北陸と東海の両地域は、互いの地域から観光客を呼び込もうと積極的なPR活動を展開している。国内からだけでなく外国人観光客の来訪にも期待を寄せる。この動きに呼応して道路を運営する中日本高速道路は、道路利用料金の割引などを実施し、観光客誘致をサポートする。

 富山県は新たに名古屋駅構内で大型広告を展開するなど東海地区で県の売り込みを積極化している。6月には中日本高速道路と包括的連携協定を締結しており、協力して県の観光振興や東海北陸自動車道の利用促進を図る考え。世界遺産「五箇山の合掌造り集落」で知られる同県南砺市の観光協会も、自動車による周遊プランを旅行会社と共同企画するなど取り組みを強化している。

 【外国語の案内板も】

 同じく北陸の石川県も白山、加賀地域の温泉旅館へ観光客を呼び込むため、いろいろな工夫を凝らす。白山市は東海北陸自動車道沿線にある岐阜県白川村と有料道路「白山スーパー林道」でつながっている。そのため5日から8月31日までの期間、スーパー林道の通行料金を普通車の場合、通常の3150円から2500円に割り引く。さらに白山、加賀周辺の対象81旅館に宿泊した観光客には通行料金を1250円に割り引くサービスを展開し、夏休みを利用した観光客を獲得する考えだ。

 外国人観光客の増加を期待するのは岐阜県高山市。全線開通により石川県の小松空港、富山県の富山空港の両空港で降りた外国人観光客が、同市を訪れやすくなると読む。そこで市内に点在する観光スポットに、アジア各国の言語に対応した案内板を設置するほかパンフレットを配備する。またホテルなどを対象に「おもてなし研究会」を定期開催し、外国人への対応を学習するなどサービス向上を図る。

 【自治体と連携】

 愛知県も国際観光のメリットを見込む。外国人観光客の多くは愛知県だけでなく周辺地域も視野に入れる。全線開通により北陸へ足を伸ばしやすくなるため、北陸の観光資源を含めて中部地区全体を海外の旅行会社に売り込むつもりだ。ただ同県は、国内の観光客が愛知から北陸に流れ、愛知に滞在する日数が減る可能性もあると危惧(きぐ)する。そのため愛知県観光協会が自治体と組み、07年から富山県など北陸の旅行会社に対してPR活動を行い、北陸地域からの観光客を呼び込もうと努力している。

 中日本高速道路は料金割引などで全線開通を盛り上げる。7月5日―10月31日までの期間、新規開通する飛騨清見IC―白川郷ICを利用し、対象エリア内のインターチェンジ(IC)で乗り降りすると、普通車の場合で600円を割り引く。また東海北陸自動車道の関サービスエリア(SA)と長良川SAで、5日から高速道路SA限定の弁当「速弁」を販売する予定で、こうした話題作りも進めていく。

 36年という長い年月を経てようやく全線開通する東海北陸自動車道。沿線の自治体や企業が、これを好機ととらえ、今後どう生かしていくのかが注目される。


【2008年7月3日 日刊工業新聞社】