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首都圏リポート/横浜開港150周年、イベント概要決定

 09年6月2日―。横浜港は開港150周年を迎える。これに合わせ横浜市が中心となり09年4月28日から9月27日まで153日間、大規模な記念イベント「開国・開港Y150」を開催する。6月2日からは有料会場の前売り入場券も発売されるなど着々と準備が進む。これを機に国内外から観光客を呼び込むとともに、"港町・横浜"を広くアピールしたいところ。しかし、イベントの全体像が分かりにくく、景気が減速期に入って収益面の不安が広がるなど課題も見えてきた。(横浜・長塚崇寛)

【文化芸術を前面に】

 記念イベントを主催するのは横浜市の外郭団体「横浜開港150周年協会」で、開幕まで1年を切り準備に大わらわだ。このほど発表されたイベント概要によると、新港地区や赤レンガ倉庫を中心とした「ベイサイドエリア」(横浜市中区)と、横浜動物の森公園周辺の「ヒルサイドエリア」(同旭区)がメーンの有料会場となる。

 ベイサイドエリアは「文化芸術の創造都市を目指す横浜らしくアートパフォーマンスがメーンコンテンツとなる」(小川巧記総合プロデューサー)。その一環で、世界的に評価が高いパフォーマンス集団「ラ・マシン」が国内初公演を行う。ヒルサイドエリアは市内竹林から伐採した竹を使った大屋根「竹の海原」など、環境に配慮した手作り感のある会場を目指す。

【波及効果は548億円】

 協会は有料入場者数を500万人と想定。地元シンクタンクの浜銀総合研究所(横浜市西区)によれば、イベント開催の経済波及効果を548億円と試算。うち来場者消費効果を405億円、制作運営費や施設制作費などを143億円と見ている。横浜市150周年記念事業推進課も「市の観光資源を対外的にアピールする大きな機会になる」と期待する。

 一方、運営方法を巡って「全体像が見えてこない」との厳しい見方もある。2カ所の有料会場が離れて立地している中で、現状では一体感を醸し出すような工夫が見えないのも確か。メーンコンテンツのアート集団が集客の目玉になり得るのかという疑問も残る。関係者からは「周辺の商店街と連携したイベントなど、地域全体が盛り上がるイベントが必要では」との声も。

【意気込む中田市長】

 また、横浜市はイベントと記念式典の開催に事業費125億円、広報活動費25億円を計上する。財政厳しい折にこれだけの経費を拠出して「有料入場者数を目標通り確保できず、赤字に陥ることがないか」という不安も広がる。

 とはいえ、半世紀に一度のイベントに市民の期待も自然と高まる。横浜市の中田宏市長も「150周年を契機に市の施策のさらなる充実を図る」と力を入れる。こうしたイベントの本質は、一過性で終わらせず、どれだけ地域活性化につなげるかにある。今後、地域の企業や市民の参加意識を高めて、どう盛り上げていくかにイベントの成否がかかっている。

【昨年入港4万3千隻】

 横浜港 歴史は江戸時代末期までさかのぼる。1858年(安政5年)に締結された日米修好通商条約に基づいて、翌年1859年7月1日(旧暦6月2日)横浜港は開港した。現在も日本の海の玄関口として主要港の一つに数えられる。07年の入港船舶数4万3157隻、取扱貨物量1億4175トン、貿易額12兆7769億円。


【2008年6月2日 日刊工業新聞社】