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山形有機ELバレー構想、プロジェクト実現に一歩

 【山形】有機エレクトロ・ルミネッセンス(EL)で地域が光る―。三菱重工業、ロームなどが28日、共同で山形県米沢市に照明用有機ELパネルの製造会社を設立した。山形県が03年度から進める「山形有機エレクトロニクスバレー構想」で、一つの答えが見えた形だ。7年間で総額43億円を投入する同プロジェクトは09年度に最終年度(予算措置)を迎える。当初から構想に織り込んであった新会社の立地は地域活性化のカギを握る存在になる。今後は県をはじめ米沢市、地元の山形大学工学部などがスクラムを組んで新会社を支援する体制づくりが期待される。

 「照明用有機ELパネルといえば"山形"となれば」。28日の臨時会見で齋藤弘山形県知事は共同出資会社への期待感を示した。今後、県は新会社と協議を行い、具体的な支援策を探る。

 山形有機エレクトロニクスバレー構想は、有機EL研究の第一人者である山形大工学部の城戸淳二教授が提唱。城戸教授の研究開発ポテンシャル、世界で初めて有機ELディスプレーを米沢工場で量産化した東北パイオニア(山形県天童市)の技術力、さらに有機ELを活用できる地場企業群の力を生かして新たな産業基盤の形成に向けてスタートした。

 03年には同構想を進める中核機関の有機エレクトロニクス研究所(所長=城戸教授)が八幡原中核工業団地(米沢市)に開所したが、米沢地域への有機EL関連企業の立地は進んでいなかった。当面、新会社は同研究所の空きスペースを利用して、有機ELパネルの商業生産の実証事業などに取り組む。

 今回の立地は、県が当初計画で描いた付加価値の高いモノづくりを狙いとした地元企業などへの有機ELパネル供給への道が開ける。同時に山形に有機EL関連企業が集まるための一つの具体例となり、県などは今後の企業誘致にも力を入れる構えだ。

 ただ新会社が投げるボールを地元企業がどれだけ受け取められるか。具体的な用途開発への道筋は見えにくい。今後の新会社の動向とともに県の新たな策が注目される。


【2008年5月29日 日刊工業新聞社】