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埼玉産技センター、カエデから酵母抽出成功−地域おこしへ企業と連携しパン・まんじゅう商業化

 【さいたま】埼玉県産業技術総合センター北部研究所(埼玉県熊谷市、北村英三所長、048‐521‐0614)は、カエデから食品の発酵に使える酵母を発見した。さらに酵母の増殖・分離に成功し、共同研究している「秩父お菓子な郷推進協議会」(埼玉県秩父市)が、この酵母を使ってパンやまんじゅうを試作した。自然界から取れるカエデ酵母を使った菓子などの商品化を進めることにより、地域おこしにつながることを期待している。

 埼玉県産業技術総合センター北部研究所では04年度から、自然界に存在する酵母の食品利用に向けた研究を始めた。カエデからも樹液を採取して、細菌やカビの生育を抑え、糖分30%の培地で酵母を増殖させた。この樹液にはさまざまな種類の酵母が含まれるため、発酵で二酸化炭素とアルコールを多く発生させ、耐性の強い酵母を選定した。デオキシリボ核酸(DNA)を調べ、標準菌株と比較をしたところ、食品発酵に幅広く使われる「サッカロマイセスセレビシエ」と同種だったと分かったという。

 酵母を使って、同協議会がパンやまんじゅうなどを試作。パンは十分に膨らみ、甘い香りに焼き上がったという。今後、商品化するためには酵母の大量生産が必要になることから、商業化には増殖の速度アップなどが課題。このため同研究所生物工学部では「酵母の製造会社と技術供与も含めた連携を検討する」としている。


【2008年5月8日 日刊工業新聞社】