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九大、「知の拠点」福岡・伊都キャンパス形成へアクセル

 九州大学が移転・統合する伊都キャンパス(福岡市西区)を核とする「九州大学学術研究都市構想」が、実現化に向けた一歩を踏み出した。学研都市づくりの推進役である九州大学学術研究都市推進機構(OPACK、石川敬一理事長)が学研都市圏に移転、産学官共同研究の基地にも位置づけられている「福岡市産学連携交流センター」も開業した。こうした体制整備に加え、ダイハツ九州(大分県中津市)も学研都市の一角に「開発センター」開設を表明。ここにきて「知の拠点」づくりが大きく動き出した。(西部・廣木竜彦)

 OPACKは地域の産学官により04年に設立された。(1)産学官共同研究による研究開発とその支援(2)研究機関などの立地促進支援(3)産学官連携交流支援―などをミッションに掲げる。

 そのOPACKは福岡市中央区から伊都キャンパスの最寄りJR九大学研都市駅に隣接する新事務所(福岡市西区、092‐805‐3677)に移転、1日に開所式を開く。企業誘致の受け皿となる新たな工業団地が学研都市圏内で整備されてきたことや、共同研究を促すための産学官交流などを活性化させる背景がある。

 OPACKはこの間、水素エネルギーやナノテクノロジー分野を中心に企業や研究機関などに誘致活動を展開。07年11月には伊都キャンパス内で産業技術総合研究所の「水素材料先端科学研究センター棟」が完成した。

 4月初旬には、梶山千里九大総長が「教職員一丸となって支援する」と決意を表明した福岡市産学連携交流センターも、伊都キャンパスに隣接して動き出した。このセンターには大手企業を中心に15社が入居する。九大教授らとOPACKが訪問して誘致実現にこぎ着けた。OPACKは「九大学研都市は全国的にも注目されており、誘致には手ごたえを感じている」と現状を分析する。

 産学連携交流センターに隣接する地にダイハツ九州が車両の内装部品などを設計開発する「開発センター」を設置することも決めた。関係者にとって、この朗報は学研都市における大型立地企業第1号に位置づけられると共に、福岡県にとり自動車産業の「頭脳開発拠点集積が始まる」(福岡県商工部)エポックとも期待される。また九大は来春、大学院が「オートモーティブサイエンス」専攻を開いて、自動車産業の高度人材育成を始める。ダイハツ九州の開発拠点開設とあわせ、「自動車関連企業誘致の呼び水にもなる」(OPACK)動きだ。

 九大学研都市はリーディング企業や研究機関だけでなく、地元企業やベンチャー企業も進出する可能性が高い。研究・教育環境の充実と企業・研究機関の集積による世界水準の学研都市づくりに目が離せない。


【2008年5月1日 日刊工業新聞社】